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臓器も骨髄も角膜も血液も~22歳④ 静かなのにうるさいと怒る隣人と勝手になるラジオ~

■22歳④

さて、無事に就職した私は実は引っ越しもしていた。
大学の2年間は大学寮。
3,4年生の2年間は人生初の一人暮らし。
ただし親の仕送り。
そして社会人となり初めて自分の稼いだお金で、部屋を借りることとなるのであるが、その前に、、、

大学ではおなかいっぱいお化けに憑りつかれたり、ベッドが揺れて英文が壁に浮き上がったりとなかなかの恐怖体験をした私だが、まさかの初めての一人暮らしのマンションでもなかなかの経験をした。

そのそも、大学寮を出て住み始めた梅が丘のワンルームのマンションだが、「前の入居者が半年で出ていった新築なのに」という物件。
何かありそうだと思えばありそうだけど、なさそうだと思えばなさそうだ。

というわけで梅が丘駅徒歩1分という素敵物件に決定。
大学3年だった。

そこではバイト先のたまり場となる中、ソクバッキーと化した彼氏が、1時間おきに電話してきて
「まだ奴らはいるのか?!」
「もう1時間たったぞ!」
「もう2時間たったぞ!」
「ホテルだったら延長だ!」
と明言を残したあの部屋だ。

あの部屋はとても快適だったのだが、ある日、隣の部屋から
「うるさい!!」
という怒鳴り声が。

あ、私ひとりでいるときですよ?

え?テレビのボリューム?
と思ってテレビを消し、寝っ転がって雑誌を読んでいたら
「うるさー-い!!」(ドンドン!!)
とさらに壁を叩かれる。。。

え?ページをめくる音?

もう、この時の私には、テレビで見た、部屋と部屋の間に住む「隙間お化け」がいるとしか思えなくなってましたよ。

一人でご立腹の隣の人を、恐怖におののきながらとりあえず放置。

その後数週間、夏休みを利用して実家に帰省し、東京に戻ってくると
「〇日の夜〇時~〇時、
〇日の夜〇時~〇時、
騒音がひどいとクレームが来ております」
と大家さんからお手紙が。

えーと、その日は帰省中ですね。
怖いです。

とりあえず、大家さんにお土産もってご挨拶。
そして
「あの~その日は実家に帰省しておりまして、誰もいないはずなのですが。」
と恐る恐る話し、実は一人で静かに過ごしているときも、お隣さんから「うるさい!!」と怒鳴られることがしばしばあることを報告。

すると大家さんからひとこと
「そうですか。やっぱり。
前のかたもそれでかしらね。」

え?
やっぱり?
なんだかひっかかるけど、とりあえず大家さんは私の話を信じてくれた様子。

その後はおだやかな日々を過ごしていると
夜中にいきなりラジカセからラジオが流れてきました。
私のラジカセです。

なぜ急に?
タイマーにしてたかしら?
しかし
電源をオフにしても、コンセントを引っこ抜いてもなりやみません。

え?
怖くないですか?
私は怖かったですよ。

で、言ってみたんです。

「えーと、何か私に言いたいことがあるのかしら?
でも私は霊感とかがなくて、私に訴えても何もしてあげられないのよねー。
すまんねー。」
っつって。

近寄ってラジカセに触ろうとすると
ピタって止まるのですよ。

怖くないですか?
私は怖かったですよ。

まるでセンサーがついてるみたい。
近づくとピタって。

まぁ、でも私に害はないのですよ。
何か聞きたいなぁ~って時に勝手にラジオがつくし
誰かが一緒にいるみたいでさみしくないし。

お友だちも見に来たりしたよ。
その恐怖ラジオ。

夜中に
「そろそろつくと思うよ。ラジオ。」
っていうと、なりはじめ
みんなが
「ぎゃー-----」
ってなってるけど、
「大丈夫よ。手をかざすと止まるから」
ってやってみせたりして、ショーみたいになってたよ。

そんなある日、大掃除をしてたら
クローゼットの扉の奥に何かを発見。

数珠・・・

こっわ!!!!!!!

さらに、大学の仲間が私の家に来た時に

「ねぇ、あんたなんかやってるの?
こんなんドアノブにかかってたけど。。。」

数珠・・・

ひぃー------!!!!!!!!!

それでも引っ越さない私に、みんなも若干引き気味に。

「いや、とりあえず害はないのよ」

って言うと、
あるがな!!!!
って言うけど、まぁ、そんなに害でもないし笑

と言うわけで、そのマンションは2年間しっかり契約満了。

隣の人にはなんか感じるものがあったのかしら?
私は、霊感がまったくないため、何もしてあげられず
なんだかすまんねっていう梅が丘の2年間でした。





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