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キャンパスに 緑の風吹き 若返る

 先日、大学のクラブのOB会から創立60周年記念パーティーを今年の秋、大学の学生食堂で開くとの連絡が届いた。大学は厳しいコロナ対応を執っていると聞いているが、秋には開催可能になるのだろうか。大学の様子が気になり母校に出かけた。

 お昼過ぎに大学につき、先ず学生食堂で学生たちに混じって昼食を摂った。コロナ前よりも座席数は減っているようだったが、ほぼ満席の状況で日常が戻っているように感じた。テーブルにはアクリル板が設置され、「黙食」のステッカーが貼られていたが、学生たちは食事をしながらアクリル板越しに盛んに談笑していた。友達と食事をするのに話をするなと言う方が無理だろう。

 食事の後、校内を歩いていて出くわした学生たちの長い列の先頭には「ワクチン接種会場」の看板が立っていた。大学にもワクチン接種会場があるのだと驚いたが、考えてみれば万のオーダーの学生がいる大学にワクチン接種会場があっても可笑しくないのだと気付いた。連休前ということもあって帰省をする学生がワクチンを打つのだろう。

 自分が学生時代に新垣くんという沖縄出身の同級生がいた。沖縄返還前で日本に入国するにはパスポートが必要だったし、飛行機は普及していなかったので、船で大阪まで来なければならなかった。ワクチン接種のために並んでいる学生を見て、彼が上京、帰省の大変さを語っていたことが頭に浮かんだ。

 しばらく歩いて行くと図書館に行き着いた。館内に入ってみると、座席の5、6割が埋まっているものの、外国人留学生の姿が見受けられなかった。コロナ前に来た時には外国人留学生が多くいて、自分達の時代との違いを感じていたので変化に気づいた。外国人留学生は帰国したままで未だ戻ってないのだろう。

 若い学生ばかりの館内にしばらくいると、自分が1人だけ浮き上がっているような感じがしてきた。「老兵は消え去るのみ」とばかりに、そそくさと退館した。

                               (2022.05.06)

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