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つないでいく想い〜生徒が本の感想をくれた!〜

著書を発行してから、保護者様はもちろん、生徒たちからもたくさん感想をもらいます。嬉しい反面、少しどきどきします。「本当のわたしの言っていることと、本の内容が違っていないかな」と。

でも、すごく嬉しいことに、20年前から15年間通って卒業してくれた保護者様から、「15年前から、先生の言っていることとぜんぜん違わなかった」と言ってもらえて、とてもホッとしました。

とはいえ、わたしも未熟な頃から少しは成長しているし、見聞は広がっているので、考えを改めた部分、アップデートした部分もたくさんあります。それでも「変わらない」と言っていただけるのは、きっと根底の部分かと思います。「いつも子どもの味方」ということです。

既に卒業した大学生(現在、教育学部特別支援専攻)がくれた感想がとても嬉しかったので、本人の了承を得て、ご紹介します。

かおり先生
昨日、「好きなことだけすれば子どもは伸びる」を読みました。

読み始めてすぐ、「この本、私たちなら誰より早く読めるな」と思いました。本になっても、佳織先生の言葉は話していることそのままだったからです。世のお母さんたちに向けられた言葉でも、約15年、先生のもとにいた私たちにはスッと入ってくる感じがしました。

「自立のプロセス」のグラフの話や、「親がお金を払ってくれているのだからちゃんとしなさい」ということぐらい、子どもたちはちゃんと分かっているんだ、という話が出てきて、少し懐かしい気持ちになりました。

本を読んだ後は、明確にここが、というのは分からないけれど、心の底から、15年間、この考えの元で生きてきたんだな、と思いました。「先生がこう思ってるから、こういう風に育とう」なんて思ってないのに、かおり先生のところに15年間という長い間通っていただけで、先生の言葉がスッと入ってくるようになってたんだな、と考えて、感慨深くなったし、それって本当にすごいことだな、と思いました。

〜中略〜

ほとんどを「かおり先生の考えを生徒として」読んでいたのですが、途中で、ふと、これを共に学んでいる特別支援教員専攻の友達や現役の先生にも読んで欲しいなと思いました。

学べば学ぶほど、親御さんの苦労なども見えてくるのですが、わたしは、それに対して心を痛めることしかできないな、と考えていました。教師という立場は、親のために動くことはできないのだと。しかし、この本の考えを、少しでも先生たちが知っていたら、子どもたちも親御さんも、生きやすい世界になるんじゃないか、と思いました。かおり先生みたいな人に世の母が救われるなら、自分もそれに近づきたいと思います。そのためにどうすればいいのか、今ははっきりとはしていませんし、経験をしていないくせに、と自分でも思いますが、夢は持ち続けます。

最後に、母への感謝とわたしがミューレに通い続けることができた人たちー先生や親、仲間たち、そしてミューレという場所の大切さを改めて実感することができ、伝えることができて本当によかったです。ありがとうございました。

わたしが「世のお母さんたちを救っているかどうか」は、はたしてそうか、とても疑問です。時には敵になることもあるから。わたしは、目の前に泣いている子どもがいるなら、そちらの味方だからです。

子どもは育てられる立場として、子育ての中心人物のはずです。それなのに、「親の子育てによって苦しんでいる」という子ども側の悩みは誰にも聞いてもらえません。それに比べると親はたっくさん、悩みをぶつけるところも情報を集める術もあります。親が悩んでいるとき、子どもだって苦しいんです。親が「子育てのまずさ」を誰かに慰められている間、子どもは誰にもそのことを言えず、ただ「自分が悪いんだ」と思っています。

だから、子どもがついにそのことを自覚し、「あのとき苦しかった」と思う頃には、わたしは完全に子どもの味方でいたいのです。だって、大人と子どもですから。弱い立場なのは子どもです。

本当は、本当〜〜〜の本当は、それこそが「真の意味で母を救う」ことになれば幸いです。

そして、そのことを、わたしが15年間育てた教え子が、別な形で教え子に伝えてくれる。なんて素敵な連鎖だろうと思いました。わたしは、自分の考えを世の中に少しでも広めたいという夢があったけど、まさか一人でやらなくてもいいなんて、思いもしませんでした。本にして、形にして、本当によかったです。


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