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【書籍紹介】論理に強い子どもを育てる

『論理に強い子どもを育てる』工藤順一著/講談社現代新書

作者の持つ国語教室での実践など。

教師の指導が何もないところで、読むことの初心者である子どもたちに作者の思いを理解しろというほうが無理なのであり、ほとんどの場合、子どもたちは簡単に飛ばし読みをして、いやいや感想文を書いているのが現状です。

どうしても感想文を書かせたいのなら、学校の授業時間で綿密にやったはずの教科書の感想文を書かせるべきではないかと私は思います。
日本の子どもたちに意見文を書かせることは非常にむずかしいことだと感じています。なぜかというと、日本では何か文章を書くというとき、思わず知らず、どっぷりと感想につかった文章を書くことが、とりわけ優等生ほど多いと思います。まさしくこれは日本の学校教育の影響です。

中略

意見を言うためには、その前提となっている一つの文化があります。その文化が日本では欠落していることが分厚い壁になってたちはだかっています。

その文化とは、まず、人には個性があるということの肯定です。個性があるなら、人と人は違っていて当たり前だということが前提になります。ところが、それとは真っ向から対立する国語教育における正解主義が、ここで大きな障害になっています。

中略

学校文化では「個性を認めましょう」という建前主義と、「でも評価は違いますよ」という本音との分裂がここでも堂々とまかり通っているのです。


前半は具体的な論理的思考(というか作文と読解)のための指導例、後半にちょっとだけ、「感想文/意見文」=「内的活動/外的発信」=「受動/能動」について、そして、受動/能動の体の動きが、頭の動きにどのような深刻な影響を与えるか、本当に少しだけ載っている。

能動的な体の動き・・・、個性の発信・・・、リトミックじゃんか。

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