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子どもに体験させよう

「収入が低いと子どもに体験させられない」ということは決して決してありません。

データとしてはそのように出ているのかもしれないけど、「本当はあれこれ体験させてやりたいのに、お金がないからできない」という理由だけではないと思います。

もしかすると、親の知見が狭くて、アイデア次第でさまざまな体験があることを知らないだけ、ということはないでしょうか。実際に、わたしの子どもが小さい頃にさまざまな体験をさせたアイデアを書き出してみます。どれもお金はかかっていません。(もう無いものや、浜松限定のものもありますが、参考にして、みなさんがお住まいの地域でぜひ探してみてください。

体を動かす体験

おにぎりを持って、とにかく広い公園へ連れて行きました。車で30分〜1時間くらいかけて。わたしは車で寝たり、ベンチで読書したり。友だちと子連れで行ってずっとしゃべっていたり。

https://www.hamanako-gardenpark.jp/parkmap/

全部、無料です。

アート・音楽体験

どこにでも、アートをテーマにした公共施設がないでしょうか。そこでは、ありとあらゆるワークショップが開かれています。無料もしくはワンコイン程度であることがほとんどです。なぜ無料かというと、国や自治体からお金が出ているからです。利用しない手はありません!必要なのはアンテナと暇な時間です。

体験としてのコツは、「何度も連れていく」ということです。こういう施設って、まるでレジャー施設のように「一回連れて行ったら終わり」にすることが多いと思うのです。何度行っても、その都度、工夫されていてちっとも飽きません。

鑑賞体験

わたしは、子どもが小さかったころ、「月にひとつはホールで鑑賞する」と決めていました。街のコンサート情報を集めたサイトがどこの街にもあると思います。その中から、子どもが行けそうなもので、チケットが1,000円以下のものを探して連れて行きました。月に一本くらいは何かあります。なければ車で1時間の範囲に広げれば、必ず見つかります。

「行く?行かない?」と子どもには聞かず、ブツブツ言ったり、喧嘩したり、泣いて嫌がったりもしましたが、「うちの子だから行くの!」と強行しました。体験というのは、やってみないと分からない。体験の少ない子どもに「行くか行かないか」を判断させていると、体験の幅は狭くなります。


おべんきょう体験

こくご、りか、しゃかい、さんすう。ぜーんぶ、体験カバーできます。

私鉄のフリーチケットを買って、一日中、電車に乗って外を眺めたり、お話したり、ちっとも飽きません。地形や地名も学べます。

神社や寺院も含めると、無限にありますね。「子どもは興味を持たない」と決めつけず、連れていけばいいと思います。幼稚園児でも低学年でも、歴史上の建築物に興味を持ちます。

体験を中心に育てるコツ

暇にする

まずは「暇にすること」。ならいごとにして、毎週、ひとつの技術を身につけるのはもっともっと大きくなってからで十分です。何も習わず、暇にして、これだけの施設を順番に巡るだけでも相当な体験ができます。

もっともっとたくさんの施設があり、たくさんのイベントが開かれています。ワークショップもたくさんあります。ただ調べて、連れていく。その手間をかければ、なんでもできます。

行った先で、「おすすめの体験施設ありませんか?」と聞いてみてください。またそこで教えてもらえます。

子どもたちは、ただ遊びに行っているだけなので、ひたすら楽しみ、いつの間にかさまざまな興味が広がり、好奇心旺盛になります。

行き慣れると、子どもはどんどん知的な好奇心を膨らませていきます。「慣れる」ということが大切です。積極的に施設に人に話しかけたり、質問したりして、どんどん知見を増やしていきます。見る目も養われます。

あるとき突然、「行く?行かない?」と聞いて、子どもを楽しませるのが当たり前の生活から体験を入れると、子どもは「つまんない」などと言い出して、失礼な態度を取るかもしれません。「連れて行った親」「そこの施設の大人」に対して失礼な態度を取らない。これは、子どもが楽しもうがなんだろうが、譲らずに教えたらいいことだと思います。

好奇心は、生活習慣と家庭の文化水準から養うことができます。

「楽しい」だけがゴールじゃない

体験をしたあと、「楽しかった?」「どうだった?」と聞かないでください。

子どもが体験を感想として言語化できるのは、ずっと先の話です。直後にしつこく聞かれると、そのうち、「ここは楽しいって言っておかないと面倒くさいことになる」ということを学んでしまい、本当の気持ちを話してくれなくなるかもしれません。

「楽しかった?」と聞かずにいられないのは、「この体験を勧めたり、連れて行ったりした自分の選択が正しかったか」を確認したいからではないでしょうか。

体験の中には、当然、「つまんないな」というもの、「役に立たなかった」というもの、「想像と違った」というものも含まれます。けれど、やってみたからこそ、「それが分かった」という価値があります。それに、体験はその瞬間に生きていくるかどうかわかりません。

「体験」はあくまでも「体験」。正しかったか、楽しかったか、確認する必要はないんです。

無駄になることを恐れない

楽しくない、何にもならない、ならまだマシ。連れて行ったものの、子どもの機嫌が悪く、ギャーギャー騒いで、人に迷惑をかけ、せっかくお金を払ったのに、ひとつも見ずに帰るはめになることもあるかもしれません。

でも、大丈夫。

それも「体験」になります。それも「思い出」になります。ぜんぶ、正しいものばかり、楽しいものばかりで固めないでください。

負の経験も、人生においては全部が糧になります。「あーあ、ダメだったな」で、次へ進んでください。

「体験を中心に育てる」とは、「楽しくないどころか、行ったはいいけど実際にはできなかったとしても、それをよしとする」ということなんです。それでもやっぱり、「行く」という行動は、やってよかったことに違いありません。

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