時計は回る
いつのまにか眠っていて、起きたら時計はもう既に夜中の1:00をまわってた。
僕はいつも2:00までには寝なくちゃいけないのに、今日はもうこれからまた寝付ける気がしない。たまには夜更かしできる日があってもいい。とりあえずリビングに降りて水を飲む。
昨日は朝から1日中車で色んなところを走り回ってた。助手席に友人を乗せて、ずっとたわいもない話ばかりを続けてた。雲1つないよく晴れた日で、いかにも年末を感じさせるような空だった。人生最後の日を迎える時、こんな空だったらいいなと思う。
シロノワールの64層で構成されたデニッシュ生地は、程よく溶けたアイスクリームと回しかけたはちみつを染み込ませるのには十分だった。甘いものは僕を幸せにしてくれる。
夜は深く沈みすぎると危ないけど、夜にしか感じられないとてと魅力的な感情がある。
夜に悩まされた苦しい時間はもちろんあったけど、夜に救われたたくさんの感情もまた存在していて、僕はそういうのも大切にしていたい。
暗い部屋で音楽を聴いていると、とても感傷的な気分になって文章を書きたくなる。いつだって文章を書きたくなるのは夜だった。
誰もいない温水プール。僕はただひたすら自分の中に落とし込まれた感情を丁寧にすくい上げるためにクロールを続ける。
「かもめ食堂」みたいに異国の地で食堂をしてみるの憧れる。おにぎり作ったらみんな美味しく食べてくれるかな。
美しいものだけを見ていたい。戦争とか、いじめとか、僕の周りはそんなものばっかり。みんなはそんな日常を当たり前のように過ごしてる。
まるで僕だけが大人になれてないみたい。僕だけが間違っているみたい。僕はそんな環境に染まりたくない。痛い。すごく痛いよ。自分の羽が汚れるのに敏感で。とても生きにくい。
他人に何を言われようと僕は僕の感受性を大切にしていたい。守ってあげたい。大事なものだから。宝物だから。いくつもの苦しい夜を、眠れない夜を超えても僕はこれを手放すことができなかった。
結局僕は染まれないみたい。僕は出来損ないですか?
この感受性がなかったら、きっとわからなかった感情がたくさんある。傷ついた人の気持ち。優しい人が教えてくれた生きにくいという感情。
タフでなければこの社会を生き抜けない。
でも、この感受性を切り捨てたら、僕はきっと生きている意味を見いだせない。
強さと優しさを併せ持つことはすごく難しい。痛いほどわかる。たくさん失って、初めてなれるものだと思う。
僕はそういう人たちにたくさん助けられてきた。だから僕もそうなりたい。
この優しさを諦めたくない。時間をかけながら、強さと優しさをゆっくりと共存させていきたい。
好きな映画を見て感動したい。夜中に音楽を聴いて涙を流す自分が好き。四季の移ろいを楽しんでいたい。小さな幸せを幸せだと感じられる自分が好き。
僕のことを好きだと言ってくれた人たちのためにも僕はこの生まれ持った宝物を大切に守っていこう。
言葉を人を傷つけるためじゃなく、人を救うために、心の支えになるために使っていこう。
僕はやっと自分のことが好きになれてきたみたい。
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