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5月インプットデイ 教育のあらゆる問題

5月インプットデイ
月に1回、ゲストをお招きして、ワークショップをおこなう。
ワークショップのなかで、新しい価値観や考え方、メンバー間の新しい関係ができたり仲が深まる一日。

5月のテーマは
「教育界のあらゆる問題」

今回はトキワ松学園中学校高等学校校長のタムタムこと、田村直宏さんをゲストとしてお招きし、今の学生が知らない過去の学校教育の姿から現在はどのように変わってきたのか、タムタムさんの学生時代から校長先生になるまでの足跡とともに語ってもらいました。

いつもならゲストさんは座ってパソコンを開き、プロジェクターに資料を投影。
なのですが、タムタムさんはタブレットを片手にペッパーくんを思わせる立ち姿で、参加者を引き込んでいきます。

インプットスタート!

1.いきなりの質問。


京都大学理学部に現役合格し、はじめは「教師」という選択肢は全くなかったタムタムさん。どうして教員になったのか、さらには校長先生になったのか。

ワーク最初の問いは「先生になりたい(なった)理由」でした。
教員を目指す学生、現役教員、教員免許は持ちながら学校ではない場所で働く人、広く教育に興味がある人など、あえて違う考えを持った人たちと交流しました。

「好奇心旺盛な子どもと一緒に学びたい。」
「教科教育よりも、子どもたちの心に寄り添う人になりたい。」
「学校の先生を外部人材として助ける人になりたい」
「まずは、学校の外の社会を知りたいと思っている」
など。


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2.思い出そう。

まずは、現在の日本の教育問題

「小・中学校の連携が弱い?」
「先生に余裕がない」
「地域格差がある」

次に、20世紀の日本の問題点
まだ生まれていない頃、という人も多かったのでタムタムさんが語ってくれた当時の様子を聞きながら考えました。

「今よりも”基準“が曖昧な世界だった」
「学級崩壊、ゆとり教育。」
「先生たちの社会的な立場が今より高いのではないか」


「いろんな問題があるね」

そして、部活動の問題点
これには自分たちの経験から、議論が白熱しました。
「顧問の先生によって頑張り具合が左右されてしまう。」
「保護者の協力が不可欠な部活動も。親は大変。」
「部活に絶対入らないといけないのは違う。」
「限度を超えた練習や指導。」


「顧問の先生厳しかったな」

3.さあ、”最初の質問”へ戻って。

「あなたはそれでもやっぱり教員になりますか?」


ここまで日本の教育を取り巻く数々の問題点を見てきて「先生」になることをどう思うか改めて考えました。
と同時に「初任者を育てる環境」の問題点を話し合いました。

現役の先生は「そうはいってもこの仕事が好きだからやります。」と力強いコメント。

「とりあえず給料は安定しているし、やってみないと分からない」
「一般企業と違って、初任者であっても先生は先生…」

こんな声もありました。

タムタムさん自身も教員1年目の苦労は甚だしかったそうです。HRは何をしたらいいのだろうか、模試の発注と準備も一人でやらないといけない。クラスによって学力格差が、、。

それでも持前の粘り強さとポジティブ精神で、苦難を乗り越えていったそうです。

「このとき私は”こう”考えて決めてきました」

4.結局、受験結果がすべてなのか?


タムタムさんは私立高校にお勤めになってきたこともあり、とくに大学進学実績を重視する環境でそれに対して疑問を持っていました。
学校教育と受験は現状、切っても切り離せないことから参加者がもっている高校・大学受験のイメージを共有しました。

「試験の傾向と対策ができたもの勝ち」
「自分がやりたい勉強に集中できない」
「興味関心を探求できないから、主体性がなくなる」
「たしかにマイナスな面もあるけれど、受験という機会があるおかげで助かる人もいる」

皆さん、「受験」ってどんなイメージ?

5.最後の質問。


最後に、学生にとっては30年後、50歳になった自分は何をしているのかという問いに答えました。

「地元で教員をしている」
「外国にいる」
「教え子に再会出来たらいいな」
などなど。

遠い未来の話。そうではないかもしれません。
でもきっと、今は想像もつかない世界になっていることでしょう。
どんな変化が起きても生きていけるように、「変わらないわたし」をもっておきたい、そんなふうに思いました。

今回もまた一人素敵な”先生”に出会うことができました。
学校教育は昔も今もいろいろな問題を抱えています。が、
「それでもやっぱり教員はいいよ」
タムタムさんは言います。
教員を目指す人もそうではない人も、教育のあらゆる問題と一人の先生の人生に触れながら、この先50歳になった自分を想像し、気持ちを新たにできたインプットデイでした。


トキワ松学園中学校高等学校HP
https://tokiwamatsu.ac.jp/


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