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「誰かと時間を共にする」ための家づくり|ima代表 三浦亜美さん

 4月27日にローンチした「NESTING」。カスタマイズ可能な3種類のテンプレートを用意し、あなただけの理想の家づくりが実現できる、デジタル家づくりプラットフォームです。

 今回、今後NESTINGを使った家づくりを検討されている方々へ「理想の家づくり」をテーマにインタビューを実施。大きさや用途が異なる3種類のテンプレートでそれぞれ、いまの住環境や理想の住まいについてお話を伺いしました。

 3人目は、株式会社imaの三浦亜美さんです。現在はつくば市在住で、今後つくば市内での建築を検討中。NESTINGを使った家づくりを検討されています。住んでいる街の魅力、そしてその地で実現したい理想の住まいについてお話を伺いしました。

━━現在のお住まいについて聞かせてください。

 5年前につくば市のまちづくりアドバイザーに就任したのを機に、つくばに住み始めました。当時は別の賃貸の家に住んでおり、昨年6月にいまの家に越してきました。地元の工務店さんと有名建築家がコラボレーションした建築物がある地区で、これまで様々な場所に住んできましたが、まちづくりを市民が積極的に行なっている子育て世代がたくさん住んでいる地区だなと感じています。 

 ここ一帯は緑住街区として景観緑地が配置され周囲に緑が多く、子どもが安全に遊べる場所もあるし、街づくりプロセスもすごくオープン。例えば街灯の明かりを暖色系にするか、寒色系にするかということも地域住民の話し合いによって決まったり、お金の流れもすべて公開されたりしていて。すごく住みやすい地域だなと思っています。

 つくば市は34年連続人口増加しており、ここ数年はコロナにより、東京からの移住者も多く、昨年はついに一般市で日本で最も移住者が多い市になりました。もちろん都心からのアクセスがよい(秋葉原から快速で45分程度)こともありますが、元々は研究者が多い街だったこともあり、教育もすごく盛り上がっているのでその側面からも人気が出ているのではないかなと。

 都心からのアクセスで移住者が多い地域でいうと、他に柏の葉や南流山なども挙げられますが、それらの都市とつくばは少し違うまちづくりが展開されているように感じます。つくば市はリモートワークができる職種の方々はもちろん、市内にある200近い研究所に勤めているかたが住んでいたり、研究所とセットで産業を興す動きもきているため「働くための場所」として移住してこられる方が多いと感じています。

 実際住んでいると、すごくリベラルな街だなと感じることが多々あります。移住者は若いので高齢者率は他の地方都市と比べて低く、かつ外国人も170国から来日しており、一般的な地方都市的な感覚は薄くて、東京とは人口密度がかなり違いますが、多様性の高い先進都市の感覚、外国に近い住みやすさを感じます。

━━お住まいの家についてはいかがでしょうか?

 いま住んでいる家は建築家こだわりの机や椅子など家具類が備え付けられています。この家に合うとされたモノたちのなかで暮らし始めたわけですが、コロナ禍で家にいる時間が増え自分と家との関係をより深く考えたときに、家は居心地のよい場であると同時に自分を表現できる場であるべきだと思うようになりました。 

 私はアーティストとして作品づくりもしていますが、つくった作品をどこに置いておくかなどのスペースの問題から、仕事を通じて得た経験や影響を受けて表現したい世界観、またこれまで私が好きで持っていたモノなどをうまく融合させながら、この部分をもっと広く使いたいなど、フレキシブルに改造していきたいという思いを感じ始めてきて。

 今後、家を建てていく中で、私のように自分自身が表現者であり、かつ他の表現者やクリエイターたちとの関わりが多いタイプの人間には建築物の可塑性はひとつキーワードになるんじゃないかと思っています。

 実は移住した5年前から土地や家探しはしていたのですが、当時は市政に関わる立場だったので、自分なりの倫理観として購入は避けていました。いまはその立場ではなくなったので、みんなが集まれるような場をみんなで創っていきたいとおもい、今回NESTINGを使って家を建てたいなと思っているところです。

━━すでに具体的に進み始めているのですね。その土地を選んだ理由は何ですか?

 これまで私は10代の頃から起業家として事業を起こし続けてきました。17〜18年くらいスタートアップ界隈にいるのですが、ここ数年「これから自分はどう生きたいのか」という問いと向き合うことが増えてきました。

 これまでのように「風の人」として全国各地を点々としながら生きていきたいのか、それとも家族を持ってどこかに定住したいのか、などですね。女性の働き方や子どもを産む時期、家族との過ごし方など色々考えた末に、いつでも戻ってこれる場所が欲しいなと思ったんです。それで、いまそのような”場”を作りたいと思い始めたわけです。

━━その土地にどんな家を建てたいですか?

 とにかく面白い人と語り合える場をつくりたいです。私のima(あいま)という会社のオフィスが秋葉原エリアにあったとき、社外の友人や知人を呼んで「肉塊会(通称ニクカイ)」や「大人のナイトミュージアム」と称して、様々なイベントを不定期でやっていたんです。肉の塊を買ってきてみんなで焼きながらわいわいしたり、時には研究者の方に講義をしてもらったり。

 何が起こるかわからないけど、絶対に面白いことが起こるその場がすごく好きなんです。振り返ると、私の生まれ育った家も両親の仕事の関係で頻繁に人が出入りしていた環境だったので、原体験としても「誰かと時間を共有する」ことを自然と求めているのかもしれません。

 家の内装などについてはこれから考えていきたいですが、可変性があることは特に大切にしたいです。家は一度建てたらやり直しがきかないものですが、NESTINGなら柔軟性もある。遊びに来た人が「こんなことをしたい」と言ったら「じゃあこの空間をつかってやってみなよ」と、常に改造し続けられるような場所になったらいいなって。

 あとは「ここに居てもいいんだ」という感覚を感じられることも大切にしたい。それは空間設計から素材、遊びに来た人たちと一緒に作っていく空気感のようなものまで含めて。特に女性の視点から考えると、女性の社会活躍のシーンも機会も増えているなかで、必ずしも「心地の良い居場所」は「家族」に限らなくなっています。家そのものかもしれないし、そこで生まれる空気や人同士の関わりから生まれる文化的なものかもしれませんが、私は私なりの「居心地の良さ」を、ここで実現させていきたいなと思っています。

 一方で、家を建てるにあたって課題も見えました。女性起業家がローンを組んで土地や建物をを取得している事例が少ないためか、銀行にある既存のスコアリングだと審査が厳しいんだろうなと思える事象が起きたりもしました。

 これは社会で活躍する女性の増加や、未婚既婚問わず家族を持つ人が増えている現状において、変革を起こす必要を感じました。これらを打開するために、NESTINGが提案する共同保有を促すファイナンススキームには可能性を感じていますね。

三浦亜美(みうら・あみ)◎株式会社ima代表取締役、志本株式会社代表取締役、デジタルハリウッド大学特任准教授、筑波大学非常勤講師。
愛知県名古屋市出身。学生時代に起業し事業譲渡した後、マイクロファイナンスを立ち上げるため単身世界一周の旅へ。帰国後、株式会社サンブリッジにて海外クラウドサービスの日本進出支援、インキュベーション施設の立ち上げなどに従事。 2013年に株式会社imaを創業し、一般社団法法人awa酒協会の立ち上げ(初代代表理事就任)や杜氏の技をサポートするAI-sakeプロジェクトなど手掛けてきた。 2020年には、志ある企業の事業承継をサポートする投資会社として「志本(しほん)株式会社」を創業し、匠の技や日本の伝統文化の継承として、レガシー産業にテクノロジーや金融を実装させ、現代へのアップデートに取り組んでいる。 近年では、アート制作の活動もしており、2019年に「AI-Mural」、2020年に「組換えでない/組換えである」を製作し、Media Ambition Tokyoにて展示している。

<インタビュー後記>
 インタビューの最後にあるファイナンススキームですが、一般的な住宅ローンでの購入だけでなく、複数の関係者が共同で所有するためにLLCを立ち上げてファイナンスするなど、オルタナティブな選択肢をご提案することが可能です。
友人や知人とシェアしてNESTINGを買いたい方がいらっしゃいましたら、是非お問合せください。(秋吉)

問い合わせフォーム

NESTING
https://nesting.me/


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