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【ネット歯科大】歯周病と歯槽膿漏

 「歯周病」と「歯槽膿漏(しそうのうろう)」。どちらの言葉も聞いたことはあるかもしれません。いずれも、たとえばテレビのコマーシャルなどで、現在もよく使われています。
 
ところで、歯周病と歯槽膿漏の違いはご存じでしょうか。
 
 実は、表している意味は、「歯周病」も「歯槽膿漏」も同じです。
 
 なにが違うかというと、歯槽膿漏というのは以前の言い方です。現在、学術の領域では、歯周病という表現が使われています。
 
 特定非営利活動法人・日本歯周病学会は、歯周病をターゲットとした主要な学会のひとつです。
 
 その前身は、「日本歯槽膿漏学会」という名称でした。1967年まではその名前であったそうです。その翌年から日本歯周病学会に改称した、と学会ホームページにあります。
 
 日本歯周病学会が公開している「歯周病学用語集」という冊子があり、現在は2019年公開の第3版が最新です。
 
それによると、もはや用語集にも「歯槽膿漏」という言葉は掲載されていません。「歯周病」に統一されたものといえます。なお、歯周病の類義語として「歯周疾患」という用語は掲載されています。
 
 こういった流れを見ると、学術団体では歯槽膿漏という言葉はすでに使用しなくなり、歯周病という用語に置き換わったと理解できます。
 
 しかし、そうはいってもテレビコマーシャルなどで歯槽膿漏という言葉を聞きます。歯磨剤などにも「歯槽膿漏予防に」などといった記載を見かけます。
 
 学術団体が歯槽膿漏という言葉をやめてからだいぶ時間が経っているにも関わらず、世間ではいまだにその表現が用いられているのはなぜでしょうか
 
 これに明確な回答をもっている人はあまりいないのではないかと思いますが、推察としては、「歯槽膿漏」という言葉がちょうど耳なじみがいいのではないかと考えています。
 
 音としては「しそーのーろー」となり、伸ばす音が3つ入っています。このあたり、人の耳にちょうどしっくりくるのではないかと予想しています。
 
 ちなみに、この説に対して、たしかな証拠は一切ありません。あらかじめお断りしておきます。
 
 いずれにしても、歯槽膿漏というのは昔の呼び方であって、今は歯周病と呼ぶのが学術団体としては適切です。
 
 病名も、たまに変更があります。たとえば「糖尿病」は広く知られていますが、理由があって名称変更する方向のようです。
 
 成人の過半数が罹患しているとされる歯周病。ぜひ、「歯周病」が正しい呼び方であるということをご理解ください。
 
神奈川歯科大学 青山典生

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