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『 歌舞伎根付ができるまで 』 〜 中盤編 〜

序盤編に続き、歌舞伎の演目「鯉つかみ」を根付にするまでの中盤編は、仕上げ彫りから象嵌の過程を画像で紹介していきます。

●制作過程を画像で追う ⑱〜㉓

前回 ⑰ 左刃を使って仕上げ彫り〜鯉のウロコの下彫りから「さあ、ウロコの本彫りへ!』とすすめる前に、重要な確認&インプット作業をしなければなりません

⑱ 胸ビレを掴む「手の動作」を自分の手で確認する

肘、指、筋肉の流れなどを自分の腕でできるだけ再現し、写真に撮って確認してその構造を頭にインプットします


⑲ 腕の筋肉構造を意識しつつデフォルメさせながらウロコも彫り進める

根付の強度を確保しながら違和感のない腕の曲がり具合となるよう慎重にデフォルメして彫りあげます

⑳ 細部の彫りに入る前に “ 左刃 (ひだりば) ” の研ぎ直し

90〜100本近くある自作の彫刻刀「左刃」の中から、
今仕上げに使う形状の刀を選び出し、
ひたすら研ぎ直していきます
仕上げに使う刀は刃先が繊細なので、集中して慎重に…
左刃の研ぎ方は少し特殊で片手で研ぐのです

㉑ ウロコ、水流、人物、それぞれの調和と全体のバランスを考えながら細部を左刃で仕上げていきます

ウロコ、背ビレ、胸ビレ、水流、紐通しの穴とバランスよく彫り進めていきます
鯉のひげ、人物の着物の襟や、髪の毛なども少しずつ形をキメていきます

㉒ 鯉の眼玉の三重象嵌を作って用意する

金属の外輪+白眼の部分+黒眼の部分の三重象嵌のパーツを削り出し、
象嵌する眼の位置&瞳の角度を決めてアタリを書き込む

㉓ 象嵌を嵌め込む眼玉穴をあけ、隙間なく入るか仮組みして確認

眼玉の象嵌は、本染めが終わってから接着するので、この時点では軽く嵌め込んで狂いがないかを確認します

◆次回〜終盤編〜は細部の仕上げ彫りから本染めと完成までを紹介いたします。

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