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新米マーケターの「UXDってナンだ!?」#4

こんにちは!
納豆には必ずお酢を入れて食べる派の大野です。

上司のすすめで、ある会社のミールキットを購入してみました。
通販でつねづね思うのが、ダンボールの開けにくさ。
とくに冷蔵・冷凍食品は「早くしまわねば」というはやる気持ちとうらはらに、すんなり開封できないときの感情曲線は「わーい♪」という喜びから苛立ちに変容します。
最初から素直にカッター使いなさいよアータという話ですが、めんどくさがり屋の私はまず手で開梱を試みるわけです。
この会社のダンボール側面には「Push」が印字してあります。そこを押すとカッターが無くてもテープが剥がしやすくなっています。
「ダンボールを開ける」という行為も、美味しく食べるまでのひとつの過程として考えられていて素敵だなぁと、その会社のことを詳しく知りたくなった大野でした。

ネットイヤーグループでは・・

UX人材育成の取り組み

創業から21年、ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD)をもとにクライアントのビジネスを支援しています。従来、UXデザインは専門家(UXデザイナー)が担当していましたが、2020年からはとくにUX人材育成に力を入れています。
未経験者はもちろん、経験が浅い人がUXの基礎を学べる講座、UXデザインに携わってきた人は、教える立場へステップアップできる講座など、レベルに応じて学ぶ機会があります。

第4回は「評価シナリオ」

さて、第4回はサイトレビューのための評価シナリオを作成します。
本日のアジェンダは7つ
①オリエンテーション
②チェックイン
③講義
④テーマについて
⑤評価シナリオを作成する
⑥発表・講評
⑦振り返り

今回もやることが盛りだくさん!
演習は15時~17時で行っているのですが、お昼を食べたあとのこの時間帯でも眠気の「ね」の字も感じないほど毎回脳みそが刺激されます。

チェックイン

「どういう状況?」と題し、このイラストが示す状況をいろんな角度から自由に書き出し、発表します。

画像2

・浦島太郎
・竜宮城に行く途中
・カメに乗って釣りにいくところ
・今夜の食事のメニューについてカメと男の子が話している
・大きな魚を釣りたいと思っている
・ペットと散歩
・カメのクッションで子供が遊んでる

先入観から真っ先に浦島太郎が思い浮かびましたが、人によっては女の子に見えるかもしれませんし、浦島太郎を知らない人が見たら、もっと違う見方があるかもしれませんね。本日のワークで重要な”想像力”を働かせるウォーミングアップでした。

講義

個人ワークに移る前に、評価シナリオと次回のヒューリスティック評価を学びました。

●UXデザインの上流プロセス手法例
ユーザーリサーチから、あるべきUXの検討までの流れと手法の復習です。

●「課題を発見」する手法
・定性的な手法
 - ヒューリスティック評価
 - エキスパートレビュー
 - 認知的ウォークスルー評価
 - ユーザビリティテスト
 - ペーパープロトタイピング...etc

・定量的な手法
 - アクセスログ分析
 - アイトラッキング分析
 - パフォーマンステスト...etc

この時点で、知らない言葉とカタカナだらけで頭が真っ白な大野です。。

●ネットイヤーグループのヒューリスティック評価
ヒューリスティック評価とは、一般的にユーザーインターフェースにおけるユーザビリティの問題を特定することですが、当社では「UX視点での評価シナリオに基づいた認知的ウォークスルー評価」を指しています。
具体的にユーザーがどういうふうに行動していくかを可視化し、ユーザーの気持ちになりきって実際の対象物(今回はS水族館のウェブサイト)を見ることです。
表面的なUIの問題(ボタンの位置や視認性が悪い等)を課題とするのではなく、ユーザーが容易にゴールに辿り着くために「そもそも何をすべきか?」という本質的なUXの課題を見つけるわけですね。

●ヒューリスティック評価の工数変動
過去のプロジェクトを例に「どういう進め方」で「どのようなこと」を「どのくらいの期間」で実施したかを教えていただきました。
作成した評価シナリオを見ましたが、ユーザーの思考が微細に書かれていてびっくり!

テーマについて

講義を終えたところで前回ワーク内容の確認です。
このチームのユーザータイプは、「週末のレジャーとして年に1回くらいS水族館に行くユーザー」で、リピーターを増やすことがテーマです。

前回のユーザー定義内容の中から、
・ユーザーがリピーターになるにはどうしたらいいか?
・年1回ではなく、数か月に1回来館するにはどうしたらいいか?
・S水族館を好きになるにはどうしたらいいか?
を前提に考え、各々が3つ重要だと思う箇所に投票します。

その後、ディスカッションしながら、今度はチームで重要な箇所を共通認識として絞り込みます。
今回のユーザー定義の大事な要素はこの3つ。
・行くことになったきっかけ:一度行ったことがあり子供連れでも安心
・背景:毎週末、家族で出かける場所に困っている、都内で子供と一緒に気軽に行けるレジャー施設を探している、子供を遊びに連れて行きたいが場所がネタ切れ
・ユーザーの最終ゴール:S水族館に行けば子供が喜ぶ、リピートしても飽きない

評価シナリオを作成する

大事な要素の共通認識を合わせたところで、個人ワークに移ります。
まずは、ユーザーが目的を達成するために行う本来の行動を概要レベルでシナリオとして書き出します(評価シナリオ)

作成する際に気をつけるのは、ウェブサイトありきで考えるのではなく、「ユーザーが行いたいこと」を考えること。

ユーザーが他の水族館やレジャー施設も検討しているという観点で、
・どのようにS水族館のウェブサイトに流入するのか?
・ウェブサイトを訪れてから何をどういう順番で知り、判断するのか?
・最終的にチケットを購入するのか?
を考えます。
今回は、次回の講座でヒューリスティック評価を行うことを前提に、ウェブサイトでチケット購入まで行うことにします。

大枠での行動の流れを書き出したら、実際のS水族館のサイトを見ながら行動概要を細分化していきます。

・行動概要
ユーザーがそもそもしたいことは何か?を書き出します。
例)S水族館を検索する→楽しそうなイベントがやってないか調べる→どんな生き物がいるのかを確認する→営業時間や行き方などを確認する・・・

・行動フロー詳細
1つの行動概要に対して、ユーザーはウェブサイトを見ながら、どういう意図をもってどんな行動をするのかを、事細かに書いていきます。
例)S水族館が候補にあがり、検索エンジンで調べる
トップページの期間限定イベントのバナーを見る
気になったイベントの詳細をみる

・対象画面
上記の行動をしているときに接している画面は何か?を書き出します。
例)Yahoo、Google検索
ホーム画面
イベント詳細ページ

・実際の行動/思考(想定)
画面を見ながら感じたことや、次の行動につながる動機などをユーザーになりきってそのまま書き出します。
例)「S水族館、久しぶりだなぁ。前に行ったのは何年前だっけ?」
「子供も大人も楽しめそうなイベントあるかな?アシカとかイルカショーがあると盛り上がるよね。そういえば前に別の水族館でヒトデにタッチするコーナーがあったけど、そういうのもおもしろくていいなぁ」

黙々と個人ワークを続けていると、講師がひとこと。
「みんなポジティブでいいお客さんだね」

自分の書き出した内容を見てみると、「おもしろそう」「楽しそう」などのポジティブな内容ばかり。普段、何かを探しているときは、「読みにくいなぁ」「分かりにくい(泣)」などのネガティブな思考も浮かんできているはずなのに。。ユーザーになりきる難しさを感じました。

個人ワーク中は、これで合っているのかな?と不安になるので、適宜、講師からのアドバイスやフォローがあり、安心して取り組むことができます。
本日は、全ての行動について書き出すことができなかったので、続きはまた次回。

まとめ

今回の講義での気づきはこちら。
・先入観にとらわれず、柔軟な発想ができるようになる。
・評価シナリオを考える際は、都合のいいユーザーになっていないか俯瞰的に見ると良い。
・UI改善も大事だけど、本質的な課題を探るには、ユーザーのそもそもの目的は何か?を考えることが重要。
・心の微細な動きを書き出す。どこでひっかかったのか?が課題を見つける手掛かりになる。

次回はいよいよ「ヒューリスティック評価」です。
一日一学。それではまた!


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