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受験では恐い源氏物語…センター試験国語・平均点100点割れ伝説(200点満点)

今シーズンのドラマ、私は『ドラゴン桜』と『いいね!光源氏くん』を観ています。
大学受験と源氏物語の話。
7年前のセンター試験を思い出しました。
共通テストの前身であるセンター試験は、大学を目指す人のほとんどが受ける一大イベント。だいたい50万人以上が毎年挑戦していました。板橋区民全員が受けていたことになると言ったら、規模のでかさがわかるでしょうか。

センター試験の国語を、当日の夜ネットで、あるいは翌日新聞で、答えを見る前に自力で解くというのを、私は10年ほどやっています。
その中で一番印象に残っているのは……何といっても7年前の2014年。

「まさかの源氏物語……」と思いましたね。

古文で超有名作品は出ないだろうと、何となく言われていましたから。

受験古文に無縁の人は、誰もが知っている源氏物語なら、みんなけっこうできたのでは?と思うかもしれませんが、さにあらず。

この年の国語の平均点は、98.67点(200点満点)。

衝撃の100点割れ。

ネットの調べですが、30年に及ぶセンター試験国語の、これが最低平均点のようです。
その主原因は、おそらく源氏物語。
多くの受験生が源氏物語をろくに解けなくて、見込んでいた点数を大幅に下回ってしまったのでしょう。私の身近にも「東大に受かるはずが、源氏物語のせいで早稲田に行くことになった」と言っていた人がいたほどです。

受験における源氏物語の恐ろしさ。
それは、高校生なら教科書で必ず一話か二話は学んでいることです。それで、なんとなく知っているような気になって、放っておいてしまいがちなんですよね。
しかし、当然受験本番では、そんな有名なところ、まず出てきません。
54帖もある源氏物語ですから、無名なところなんていくらでもあります。当たり前のことです。なのに、英語や社会に追われていると、古文常識や源氏物語のあらすじなどまで気がまわらない。これ、私の知る限りですが、古文でやらかす人のよくあるパターンです。

受験で古文必須の人、特にMARCH以上を狙う人は、宇治十帖、つまり光源氏亡き後の話の展開まで、しっかりおさえておきましょう。

あ、2014年のセンター試験で出されたのは、宇治十帖に入る前の夕霧の巻でしたが、この辺の人物関係もよくわかっていない人、多いのではないですか?
夕霧(光源氏の息子で母は葵の上)が浮気して、妻が子供たちを連れて出て行く部分。雲居雁や落葉宮がカギでしたね。
考えてみれば、千年前の架空の人たちの夫婦喧嘩を知っていたかどうかで自分の学歴が決められるというのも変な話ですが、受験ってけっこう理不尽なものです。

『いいね!光源氏くん し~ずん2』は、紫の上まで登場して盛り上がっていますが、受験ではむしろ、ドラマには出てこないキャラの方が重要人物。大きな書店へ行けば、受験用源氏物語要点本が何種類かありますから、自分に合うのを読んでおくことをオススメします。
源氏物語を学ばずに受験古文を解くのは、丸腰の徒歩でサファリパークを突っ切って行くようなものでしょう。

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