根雨良光

木の枝に擬態する七節のごとく言葉の森で地道に棲息しているナナフシ・ライターです。人生の…

根雨良光

木の枝に擬態する七節のごとく言葉の森で地道に棲息しているナナフシ・ライターです。人生の半分の30年を書くことで食ってきました。古文の講師をしています。散歩するように短歌詠む日々。我が身は七節でも、我が言葉は揚羽のごとく舞ってほしいと願っています。

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  • 抽斗

    入れておきたい記事を……

  • 暮らしにもっと詩力を!

    心に少し磨きをかければ日常も一編の詩になります。そのために欲しい詩の力。詩力(しぢから)を感じさせてくださった記事を、ここに入れさせていただきます。

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ツバメとトンビ、どちらになりたいか?

壮年期 空行く燕のごとき日々 初老に入りて鳶が手本に 窓から見える空に、冬から早春、仲春はカモメが舞っていましたが、晩春の今はトンビが飛んでいます。時折、ツバメも。 来世がツバメかトビかの二択なら、どちらがいいのでしょうね。

    • 坊主憎けりゃ何まで憎いか?

      受験生に古文を教えていたときのこと。 『更級日記』の文中に出てきた「袈裟」の字が読めない様子です。 そこでヒントを出しました。 「ほら、坊主憎けりゃナントカまで憎いって言うじゃない」 「?」 「ああ、このことわざ、もう死語かなあ。坊主憎けりゃって、ふだんの会話で聞かないよね」 「うん」 私はクイズのようにして考えてもらうことにしました。 「じゃあ、推測してみよう。お坊さんが憎いとなったら何まで憎くなるか。はい、坊主憎けりゃ?」 「寺まで憎い」 「なるほど!」 思わず唸る私

      • 夏蝶揚羽は夏の季語を知っている

        干草の香りの要黐の花 春惜しむ花 夏蝶ふはり アオスジアゲハが蜜を吸っている白い花。 花と虫を愛するmarry015さんのおかげでカナメモチとわかりました。 ありがとうございます。 今日も近所のカナメモチにアオスジアゲハが来ていました。私も真似て顔を近づけると、どことなく懐かしい匂い。日向の干草を思わせます。 干草は夏の季語。揚羽は夏蝶。 春土用も半ばを過ぎた旧暦三月十九日です。 明日は壬戌。二の戌。 「い」のつくものか白いものを食べるといいそうです。

        • オブラート 死語になりつつ生きていた

          オブラート知らぬ十代「オブラートに包む」の意味は知ってる不思議 高校生に国語を教えていた時のこと。 「良薬は口に苦し」の慣用句が出た流れで、その人がオブラートを知らないことが判明。 「じゃあ、オブラートに包むの意味もわからないよね」 そう聞くと、 「わかる」と言う。 「は?」 「それなら、オブラートとはどのようなものか、推測してみて」と私。 「え~~」と十代。 オブラートを見たことない人に、説明する展開になりました。 これは、オブラートに包んではいられませんよね。

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          朧月にはハゴロモジャスミンがよく似合う

          羽衣の茉莉花匂ふ弥生かな 立待月も朧に溶けて 昨日旧暦三月十七日、立待月がきれいでした。 『光る君へ』では三条天皇がご登場されるとのこと。 以前、私、記事を書いているので、再掲します。 よかったらお立ち寄りください。

          朧月にはハゴロモジャスミンがよく似合う

          ラーメンの具は胡椒のみ 挽きたての胡椒喉越し鼻越し良くて

          ラーメンの具は胡椒のみ 挽きたての胡椒喉越し鼻越し良くて

          春深し 青き揚羽のあらはれて はつなつの窓あけよとさそふ

          春深し 青き揚羽のあらはれて はつなつの窓あけよとさそふ

          葉桜や ながめせしまにファミチキをロゼワインにて食める小町忌 今日旧暦三月十八日、小野小町の命日

          葉桜や ながめせしまにファミチキをロゼワインにて食める小町忌 今日旧暦三月十八日、小野小町の命日

          「ぼくはもう観葉植物 食べないで」ニンニクの芽が朝日に背伸び

          「ぼくはもう観葉植物 食べないで」ニンニクの芽が朝日に背伸び

          晩春の折り返しに初桐、初卯の花

          雨催ひ 葉桜曇桐曇 躑躅石楠花卯の花曇 本を二冊買いたくて御茶の水へ。三店巡って、一冊は手中にしたものの、もう一冊は出版社にも在庫なし。 空は雨が降らないのが不思議なほどの色。「花曇り」の語を思い出します。 今はもう葉桜曇、躑躅曇と思ったら、 石楠花、桐の花、卯の花にも出逢えました。この三つは夏の季語です。 夕暮れ、こまかい雨が降り、青葉の匂いもそよぎました。 今日は弥生望の日。晩春も折り返しです。 空気は早春の涼しさでしたが、夏が挨拶してくれました。 このまま

          晩春の折り返しに初桐、初卯の花

          雲多き弥生望の日 聖橋 檸檬の月を心にて見る 今日は旧暦三月十五日

          雲多き弥生望の日 聖橋 檸檬の月を心にて見る 今日は旧暦三月十五日

          冬の季語だが私にとっては春の味

          皮をむく弥生の蕪の白きかな 卯月のむくな卯の花の色 蕪好きの私。この春、炒め物にすることを覚えました。 箸置きを買うときにも蕪を選んでしまうくらい。冬の季語ですが、私にとっては春の味でもあります。 そろそろ咲いてくれるはずの卯の花。12年古文を教えていますが、この花を知っている高校生さんは本当に少ない。新暦の5月頃、あちこちで普通に見られる花なので、ぜひ覚えていただきたいです。 二十四節気では五月五日の立夏から、旧暦では五月八日の卯月朔日より夏ですね。

          冬の季語だが私にとっては春の味

          歯科医の予約をするはずがパスタを茹でてしまった

          逆さまの歯科医の診察カード見て「ニンニク買おう」心はパスタ

          歯科医の予約をするはずがパスタを茹でてしまった

          行く春が命の洗濯せよと言ふ 洗濯槽に桜花びら

          行く春が命の洗濯せよと言ふ 洗濯槽に桜花びら

          虚空より穀を潤す雨降れり 子の刻越えて穀雨となりぬ 子の刻(ねのこく)=午後11時から午前1時頃 日付変わって今日から穀雨 画像は雨に濡れる白い花菖蒲

          虚空より穀を潤す雨降れり 子の刻越えて穀雨となりぬ 子の刻(ねのこく)=午後11時から午前1時頃 日付変わって今日から穀雨 画像は雨に濡れる白い花菖蒲

          ツワブキはヤマブキである

          ツワブキの札の花壇にヤマブキのツワより艶のある花咲けり 先日、とある広場で「ヤマブキ咲いてる~って、ツワブキ?」と、目が点になりました。 花は確かにヤマブキです。 その下を見ると、 いました、ツワブキが。 冬の間、咲いていたのだよね。あとはヤマブキに任せて、春眠してください。 札を「ヤマブキ」にした方がいいかもしれませんね。「石蕗」と書くツワブキはヤマブキともいうのですから。「山蕗」と書いて。 ※見出し画像は去年の晩秋に某所で撮ったツワブキ

          ツワブキはヤマブキである