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雑記:アーマードコア6を3周すると自分自身がメタになる

アーマードコア6を3回クリアし、俺は星を見るひとスターゲイザーになった。今は全ミッションSランクを埋めつつ、フォトモードで遊んだりしている。

このゲームはマルチエンディングで、トゥルーエンドに到達するには都合3周する必要がある。とはいえ、そこに退屈さはない。周回を重ねるとまったく新しいミッションが追加されたり、同じミッションに違う展開が追加されるからだ。一周目であんなに苦労したボスを余裕でシバいたり、前回は虐殺気味にクリアできたミッションを今度は虐殺される側について戦うようになったり、思いもよらないクライアントから依頼が来たりする。複雑怪奇なルビコン情勢に対する理解が周回するごとに深まり、気づけば立派なイレギュラーとなっているという寸法だ。

周回していると自然と金が貯まりパーツも集まるので、色々なアセンブルを試すことで同じミッションでも新鮮な気持ちで楽しめる。EN武器に特化したアセンブル、ミサイルオンリーのアセンブル、グレネード砲縛りの爆破狂アセンブルなど武装を尖らせることもできるし、そこに脚部の違いによる操作性の変化やブースターの違いによるスピードの変化なども絡んでくるので、まこと千差万別な体験ができる……これはなんともアーマードコア的ではないか。

アーマードコア6のアセンブルについては「重ショットガン担いどけ」「Wガトリングでハメろ」などとよく言われる。つまり、「メタアセンブル使えば最強」というわけだ。3周した今になって思うが、これは少し言葉が足りていない。アーマードコア6は「自分のハンドスキルとプレイスタイルとアセンブルの3つを噛み合わせてメタを張るゲーム」と言ったほうがより正しいかもしれない。重ショットガンやガトリングガンは近づく→ブッパなす→スタッガー→大ダメージという流れがわかりやすいからついつい最強だと勘違いしてしまうだけであって、実際はそうじゃない。先に述べた3つの要素が噛み合いさえすれば、すべて最強・・・・・になるのだ。

それをなんとなく分からせてくれるのが適正距離の概念で、本作では射撃武器は適正距離を超えると跳弾してまともにダメージが入らなくなってしまう。ショットガンやガトリングは適正距離がかなり短いので、本編後半から現れる車輪骸骨もとい向日葵ヘリアンサス型のようにひっきりなしに高速移動をする相手にはちょっと分が悪い。車輪骸骨が撒き散らすミサイルをかわしながらブーストを吹かして射程まで入るのは一苦労だし、近づいたら近づいたでこいつは火を吹いてゴッソリ削ってくる。なんでこんなイギリス軍みたいなアホの見た目で遠近両対応なのか?……技研の思考を理解しようとするのは得策ではないとだけ言っておこう。

三徹した頭で作ったのかもしれない

十分な技量があれば車輪骸骨相手でもショットガンの間合いで戦えるかもしれないが、もっと利口に戦いたいならオーソドックスなミサイルに立ち返るべきだ。ミサイルに敵を追いかけさせて自分は回避に徹すればいい。直接的なダメージは少なくてもミサイルの爆破衝撃によるACS負荷は着実に貯まっていくので、思っているより簡単にスタッガーする。あとは煮るなり焼くなり自由だ。ワーム砲だの破壊天使砲だの他の肩武器が派手なのでついつい忘れそうになるが、ミサイルもまったく侮れない強さを持っており、決して画面の賑やかしにはなっていない。

こうして遊べば遊ぶほど、アーマードコア6はよくできていると思い知らされる。ボスに対する回答も人それぞれで、悪名高い(高すぎてナーフされた)バルテウスをパルス兵器で攻略するプレイヤーもいれば移動要塞と化したタンク構成で物量作戦を挑む脳筋もいるし、初期機体のまま操縦テクだけで切り抜ける猛者もいる。結局大事なのは、自分の技量とプレイスタイルを正しく理解し、それに合わせてACをアセンブルしていくことだ。どれかひとつでも食い違えば理想の結果は得られない。

澤のドリブルはともかく、このゲームに万能の最適解などというものはきっと存在しない。プレイヤー個人の単位ですら、上達につれて強い武器の定義が変わっていく。言い換えるなら、プレイヤーとその延長たる機体の両方が闘争の中で最適化し、進化していくということだ。その積み重ねが自分自身を最強メタにする。これはある意味で非常に原初的なアーマードコア体験であり、考えようによれば、アーマードコア6の物語はまさにこの体験そのものをテーマにしていた。

ゲームプレイとストーリーを一致させるのはフロムソフトウェアのお家芸だが、アーマードコア6はついにその極致に達したのかもしれない。

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