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[104](17/100)人類の存在は失われてしまうのか?『私の恋人』(上田岳弘)

「私」はいま、3周目だ。一周目はクロマニヨン人の時代、二週目はナチスドイツの時代、そして現代だ。

人類の歴史に連綿とつながる「私」とはなにか?

この本の大部分は、この「私」について描かれてきている。僕の理解では、この「私」とは人類がクロマニヨンの昔から持ち続けてきた「人類のDNA」だろう。しかし3周目の現代、そのDNAを手放そうとしている。

あなた方人類が、あなた方を超える知性を生み出すということは、(中略)物質から生まれた生物が、高等生物となって得た『意識』を物質へと宿らせることに成功した(117ページ)

最後の10ページで「彼ら」についての説明が始まる。「私」が長い時間をかけて自らの意識、それはDNAと呼んでも良いが、レーゾンデートルかもしれない、その「自分の意識」を宿らせた物質=「彼ら」なのだろう。

「彼ら」とはだれか?きっとAIだ。

AIとは人類のレーゾンデートルを明け渡した物質なのか。その結末は、まだ書かれていない。

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