変わるものと変わらないもの
50女6人が、7月の熱海駅に集まった。
私達は大学のサークルで出会った。
今は、それぞれ、離婚したばかりだったり、高校を中退した長女に振り回されていたり、ずっと独身だったり、失業中だったり、実母の介護をしていたり、3人の子育て真っ最中だったり。
夫の職業が違えば年収も違うだろうし、生活レベルだってきっと違う。でも、4年ぶりの再会にも、まるで昨日街で遊んでいた続きのように会話している。
それは、自由で、無邪気で、無謀で、無知で、危なっかしい若い日々を過ごした思い出そのままに、お互いの像が変わっていないからだ。
「なんで皆といると心地いいんだろうね」
「ここは無法地帯だからね。こんなこと言ったら変に思われるかなーなんて心配、無用だからよ」
そう、この旅の間は、家庭の悩みも、ご近所問題も、世間のルールも関係ないのだ。
碧空と海の間を、初島に渡るフェリーは滑るように進む。
私達のおしゃべりは、いつまでもとぎれない。
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