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Hitachifrogs藤井義織さんインタビュー

プロフィール

藤井義織さん

長野県白馬村出身の筑波大学理工学類の3年生で、Hitachifrogs(※)に所属しており、生ゴミを減らすことを目的とした集合住宅向けコンポスターの設置を行っている。高等専門学校在学中、3週間のニュージーランド留学を経験し、環境問題に対する意識の違いを感じたことが現在の活動のきっかけになったという。個人的にできることから始めた取り組みだったが、他の人も巻き込みたいとの思いから、Frogsに参加してコンポスター設置のプロジェクトを始めたそうだ。

好きなものはコーヒーだそうだ。何かを頑張りたいときは自らドリップコーヒーを入れてブラックで飲んだり、リラックスをしたいときにはマキネッタ(直火でエスプレッソを作る、モカケトルとも言われるドリッパー)で作ったエスプレッソでカフェラテを作ったりしているそうだ。長野にいた頃は行きつけの店があったそうだが、つくばに来てからはまだ決まった店はないそうで、これから見つけていきたいという。

※人財育成を通じて未来を作り上げるプロジェクトを公募し、全国frogsプログラムを展開する株式会社FROGS(沖縄県)の茨城拠点。詳細: https://www.frogs-corp.jp/


コンポスター設置プロジェクト「comPOST」

コンポスターとは、家庭から排出される生ゴミなどの有機物を、土に混ぜた微生物を使って分解し堆肥を作る装置だ。諸外国では家庭ごみの処理用に地域や家庭などに設置されていることがある。しかし通常は使用する微生物のために多額の費用がかかる。そのためコンポスターを持続可能なものとしてビジネス化するため、単価の低いミミズに着目したそうだ。またニーズを調査した結果、コンポスターに生ゴミ入れる際、袋に入れたままで投函できることが望まれていた。そこで投函に使用する紙袋も一緒に分解できるミミズの使用を考えたそうだ。また通常のコンポスターは撹拌を必要とするものが多いそうだが、ミミズを使用することによってミミズ自身が撹拌を行うため動力が必要ないという点もメリットの一つだという。

一方でこのコンポスターにも課題はあるという。コンポスターに投函をする際にミミズが分解できるよう、紙袋を使用しているそうだが、水分量の多い生ゴミを入れると袋から水分が漏れ出す問題もあるようで、その点については撥水加工のされた紙袋を検討しているそうだ。またミミズに起因する問題もある。例えば油分が含まれる生ゴミを入れてしまうとミミズが呼吸できなくなり死んでしまったり、気温が30度を超えるとミミズが弱ってしまうためコンポスターを冷却する技術の導入が必要だという。また逆に0度を下回るとミミズが冬眠してしまうため、コンポスター内の環境整備が課題だそうだ。

このプロジェクトを進めていく上で堆肥を作ることへの興味も出てきているそうで、堆肥における栄養価を調査したりなど、生ゴミを減らすということ以外にも、堆肥を作ったあとにどのように利用するかについても発展性を模索しているそうだ。

環境問題をみんなが意識するようになれば大きな解決につながるが、意識をしなくてもそこにコンポスターがあって、便利だから活用するといったような、結果として環境に良い社会を目指しているそうだ。


Frogsでの活動

現在Frogsではコンポスター設置プロジェクトを進めているが、そのプロジェクトを進めるにあたってメンターからアドバイスをもらっているという。メンターはFrogsのプロジェクトに協力する社会人が担っており、コンポスターの導入先やどういう切り口でプロジェクトを進めていくかについて意見をもらっているそうだ。また同じFrogsで活動する同期からマネタイズポイントについても意見をもらい、再検討を行っているという。さらに中間発表会もあり、余分なものが含まれない堆肥が好まれるなど、農家からの現実的な意見ももらっているそうだ。

そういった意見やアドバイスから目標設置数の検討を進めているそうだが、まずは活動拠点であるつくば市中に広めることを目標としている。


卒業後の進路について

卒業後は現在専攻している分野を軸として、エンジニアをやっていきたいそうだ。そのために大学院への進学も考えているそうだが、大学院でも今のプロジェクトを続けていきたいという。C言語が得意分野であり、マイコンなどへの組み込みなどを高等専門学校時代から行っていた藤井さんにとって、エンジニアリングの魅力は自分が命令したとおりにロボットやプログラムが動く、自分が操っているという実感があって楽しいそうだ。目指すエンジニア像もやはりビジネス的な思考を持ったエンジニアとのことで、Frogsに入った理由にはそうした思考を学ぶためという動機もあったのだとか。環境問題から堆肥、エンジニアリングまで、興味のアンテナをどんどん広げて活動する、藤井さんの今後を応援したい。


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