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恋愛小説

恋愛小説はほとんど読まない。
ま、私にはヒトの心が欠けているからね。
いつも「ふ~ん、で?」という感想になりがち。

これまで読んだのは、
江國香織さん
辻仁成さん
山田詠美さん
白石一文さん
有川浩さん
大崎善生さん
マチネの終わりに
センセイの鞄
ノルウェイの森 などなど

…あれ?けっこう読んでたね。
でも、たぶん、話題だから読んだんじゃないかな。
好んで読んだのは江國香織さんだけ。

私が最高の恋愛小説だと思うのは、って、ほんの数十冊くらいしか読んでないのに「最高」を語るなって話だけども。
最高の恋愛小説だと思っているのは、泉鏡花の「外科室」
恋愛小説縛りの読書会に無謀にも参加して、この小説をキモく語り尽くすくらいには愛してやまない。

あらゆる恋愛小説の中で(って、ほんの数十冊…以下略)、高峰の告白は無上のものだ。
最愛の人に縋りつかれて、たった一言絞り出す「忘れません」
百億の言葉があったって気持ちを伝えるのは難しいのに、この一言ですべて言いきる泉鏡花は、げにおそろしき。
高峰のあまりの高潔さに、太田豊太郎は少しは高峰を見習ったらどうなのかと思うよね。

恋愛って難しくない?
かつての恋愛を思い起こしてみても、それはただの執着だったし、ただの自己満足だったし、表層的で現象的だった。
私はいつも自分が一番可愛いし、自分中心主義で、すべて自分のコントロール下に置きたい性格なので、そもそも恋愛に向いてない。
傷つきたくない、面倒くさいこともごめんだ、なければないでOKだ。
でも、架空の人生を疑似的に生きることができるのが読書。
そこに描かれる人間のどうしようもなさが愛おしいのであって、恋愛小説はそれが際立っているのがいい。

いま「冷静と情熱のあいだ」を読み返している。
前のときは江國版Rossoから読んだので、今回は辻版Bluから。



読書が疑似的な体験ならば、成就しない恋がいいよね。
破滅的なら尚よし。
歓喜より苦悩のほうがみんな好きでしょ?笑
私は大好物。

読んでくださってありがとうございます。よろしければコメントもお気軽にお願いいたします。