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ソヴリンイプシスマスのTODAY'S TALKING SNAP! vol.5 ニューエイジという牢獄

派手な服着て笑わにゃ損々そんそん、笑わせにゃ損々そんそん。現存する魔術師の最高位とされるソヴリンイプシスマスの称号を持ち、各国で形而上学を教えるビッグセミナーの講師として昼夜 教壇に立つ、MMSジャパン校長・中込英人さん。15歳で渡米し、極真空手、仏教、密教、グローバル経営の道を極めるという徒ならぬキャリアを持ち、20代でダライ=ラマ14世のボディガードを務める(?!)などなど、衝撃エピソードは数知れず。プライベートから表舞台まで常にカラフル&パワフル&ファッショナブルな装いで現れる彼のSNAP! に、お得意のユーモア溢れる “スピリチュアル小咄こばなし” を添えて。さて、本日のコーディネートは?


はいはい、今日はとある式典があってね。カナダ・トロントからお送りします、13時間の時差ボケに負けない中込です。

実は今まで黙っていたんだけど、“イプシスマス”って“ソヴリンイプシスマス”が正式名称なんだよ。やっぱり名前もパワーだから正式に呼んだ方がいいだろうってことで、“ソヴリン”をちゃんとつけるようにしたんだけどさ。みんな、ソヴリンイプシスマス、ソヴリンイプシスマス〜って噛み噛みで呼ぶから、もう長いのなんのって。まあ、なんのこっちゃだろうけども、改めてよろしくな。

そんなことよりさ、前回から始まった恐ろし〜い “牢獄シリーズ” だよ。お次はニューエイジについて話しておきたいわけ。この現代社会のすぐ身近に潜んでいる、これまた厄介なトピックだよな。

宗教のドグマ化が厭世観えんせいかんを生むようになると、1960年代からニューエイジ思想ってのが流行りだした。NEW AGEの語源は西洋占星術からきているという説があるね。簡単に説明すると、この流れは二十世紀後半に春分点がうお座からみずがめ座に入ったことから発生した。春分点は2000年ごとに次の星座に移るわけだけど、ちょうど2000年前にうお座へ移った頃にキリストが誕生したとされる。そのタイミングで、キリスト教による2000年に渡る西洋文明の時代が終わり、新しい時代が始まったと騒がれた。

ニューエイジは、1960年代にアメリカから始まったカウンターカルチャー運動が瞬く間に世界に広がったところから始まっている。結局のところ、物質ばかりの文化に人々が飽き飽きしてきたってことなんだよ。物質より遥か上方にある精神世界や超自然世界に対する憧れや興味が、その辺りから一気に広がったんだ。

トロントにて行われた3rd orderの式典ではスーツスタイルで登壇
大仕事を終え、オフになってもさすがのファッショニスタぶり。デニムは〈ポールスミス

なんだかんだ言っても教育のおかげで識字率は高くなり、人々は興味のある事柄に自分でアプローチできるようになった。そして、自分たちに知らされていない世界があることにも気付き始めたんだね。今までどんなに不自由な生活を強いられてきたのかを肌で感じるようになり、これからは自由で自分らしい生き方をしようじゃないかということになった。正しい知識を持たない人間には、人生への不安、なぜ自分が生きているのかわからないという虚しさが、常に付き纏ってくるものだからね。

宗教だってさ、元々は人間の不安を解消するために発達してきたんだよな。ところがあまりにも組織として巨大化してしまった。そこでニューエイジは、「もっとお手軽に自己実現ができる」と言い出したんだ。

・たった一日で自分らしく生きられるようになる、自己啓発セミナー。
・これを読むだけで、あなたの潜在能力が開花する、と謳われた本。

そういったお手軽なものが流行りだして、世の中の人が一斉に自分探しを始めたんだ。一方で、オカルト文化への興味や関心も高まった。チャネリングやリーディング、瞑想法、前世療法、催眠療法など、さまざまなセッションが次々と登場した。どれも簡単に自分探しができるしわかりやすい、ほんの一時間程度のセッションで人生が丸々わかる、っていうんだからなあ。その安易さが、むしろ多くの若者たちの心を虜にした。ニューエイジの罠はまさにここにある。

「あなたは何もしなくていい」「ありのままでいい」と言う。そして自分の生活様式や行動は何も変えないで、感情を変えるだけで人生がうまくいくと信じさせるんだ。「ハートをひらけば全てうまくいく」とか、「信じれば救われる」とか言われると、泣いて感動したりする人が出てくるんだよ。そうやってさ、感情をうまくコントロールされてしまうんだよな。

大ぶりの花柄がポジティヴな〈エトロ〉の花柄ジャケット×インナー
右手の薬指には〈ブルガリ〉のリングを

右脳ばかりを使わせて依存的にさせるのは、宗教と同じやり方。左脳の働き、すなわち理性的で論理的な考え方を捨てさせる。そうすれば教えに対して従順になり、批判しなくなるからね。

ニューエイジの怖いところは、依存傾向が強くなってしまうことにより、狂信的になってしまうところだ。盲信のあまりに破壊的なカルト団体を形成したり、怪しげなオカルト情報で詐欺まがいの活動をするようになる。のめり込めばのめり込むほど、反社会的な活動家になってしまうことがあるんだ。

なぜそんなカオスにハマってしまうのかというと、そもそも自分で選択せず、他の何かに依存するという行為そのものが "合っていない" 行動だからだよ。現象化するものはすべてマインドの中で起きている。自分のマインドは変えずに、感情を変えるだけで人生をなんとかできるなんて、都合が良すぎるだろう。願うだけで現実が変わるわけがないっていう話だよ。"合っていない" ことを選択するとカオスを巻き起こすわけだけど、まさにそういう状況を自ら作ってしまうんだよな。

ニューエイジでもしばしば「私の使命は何か」っていうことを命題にする。自分探しをしていれば、必ず行き当たる質問だからね。けれでも答えを聞いたところで、そこでプツンと糸は途切れてしまう。「これをやればうまくいく」と言われた通りにやってみたとして、その時はうまくいくかもしれない。でもその先が無い

・自分はどこへ向かえばいいのか。
・そこに自分の使命があるのか。

永遠性やギャラクティックに則ったPATHパス(道)が無いから、その場限りの満足で終わってしまう。そして「次はこれ」「これは終わったから次はこれ」と、いろいろなことをやってみても、どれもその場限りで終わるんだ。お手軽な方法で満足を得られる近道なんて、無いっていうことなんだよ。

安直に自分探しをしようとすると、易々とニューエイジの罠に落ちてしまう。他の何かに頼ろうとしないでさ、自分の天命は自分で見つけていくしかないってこと。

一体自分が何のために、あの宇宙から地球に来たのか。ぼーっと想いを馳せてばかりいるだけじゃ、なんにも変わらない。

まあそう言いつつも、たまにはこうして空を見上げて、ギャラクティックな気分に浸るのもいいもんだよな。

それじゃ、今日はこの辺で。


Text: MMSjapan
Edit: saori uemura, mailove


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