SH、SO、FBの違いによる視野と認知,意思決定等

最近あんまりnoteの更新が出来ていません。なかなかまとめて時間がとれずに、文章を落ち着いて書くと言う事が出来ていません。そんな中でYouTubeもアップしながら細々とですがやってる状態です。

そんな中反響があったオールブラックスのホーデン・バレット選手の動画ですが、じゃあなんでバレットはSOもFBもこなせて、かつSOの方が良いと思ったかを、最近よく使われる意思決定や認知と言った方面から話していけたらなと思います。


すげー当たり前で馬鹿にしてるんじゃないか?って話からしていきましょう。人間の目というものは顔の前についてますね。そのまま頭の位置を変えずに目だけで横を確認しようとすると広い人で180°くらいが精一杯じゃないでしょうか?見えて200°と言ったところでしょうか?そんな中で、ラグビーはボールより前でプレーすることは基本的に禁止されているスポーツであり、ボールが最前線にある事が多いので頭の位置を変えないと味方の選手を目では確認できないと言う事になります。当たり前ですが、まずこの確認をすることが重要で、選手の視点での分析をする場合大前提になってきます。そして頭を動かすと言う事は、人間の一番重たい部分を動かすことになりますので、プレーする上で非常に重要なキーになると言う事ですね。

また、この"目での確認"と言った動作を各ポジションで考えていくと、まずSHであればスクラムやBDでの攻防の後ろにいたりしますね。その時点での視野の確保はどうしているのか?ここがキーポイントになってくるんじゃないでしょうか?スクラムからは確認する時間も多いので、BDでの視野の確保に苦しんでる選手は多いんじゃないでしょうか?いくつか考え方があり、もちろんポイントにより早く着くことで時間を作るというやり方も考えられますが、そんなにうまくいきませんよね。BDの攻防の状況も確認しなければいけない中で、じゃあなにから確認するのか?というところになります。

まずは何度か説明していますが、パスした後のポジティブランで視野を確保すること。昔は自分がパスを出したコースに走り、バックスの後ろを回ってミスしたボールを回収しろ、なんて言われてましたが、それよりもしっかり真横に出て、敵、味方両方の選手を確認出来るような視野の確保に努めること。ここでの予測が次の意思決定になにより関わってきます。そして、そこでの意思決定がどの角度からBDに入るかに繋がります。アタックラインのコンタクトがどこで起こるのか?ゲイン出来るのか?ターンオーバーされる可能性は高いのか?またエリアやレーンによって次のアタック方向や方法も変わってきます。

そこでBDに鋭角に入っていって順目にクイックボールを出すと言う判断した時の確認する位置はどこになるでしょうか?その時頭の位置はどこにないといけないでしょうか?BDの真後ろから入る時はなぜそこから入る必要があり確認する必要がある位置はどこになるのか?これらをまず自分で確認することがSHとしての認知行動の第一歩じゃないでしょうか?

逆に下がってFBの選手は、チームの一番後ろにいるので視野の確保はしやすいです。頭もそこまで位置を気にしなくても単一の視野で必要なものはある程度確認できます。ただ、全て見えてるが故の問題も起こり対処できる事の数が非常に多いです。これを絞る作業がFBの選手の意思決定になると言えるんじゃないでしょうか。

アタックで説明すると、最後尾から遊軍的に参加する局面が非常に多く、全体の動きを見ながらどのレーンのアタックに参加するかを選択していきますが、ある意味ここに間違いはないですし、参加することで数的優位が出来るので必要な事ではあるのですが、参加する事で受けるデメリットを考える事が必要になってきますね。アタックラインに参加することで後ろから全体を見ると言った視野の確保をしてた優位性が失われます。チーム全体の重心みたいなものをどこにかけるかと言った中での意思決定がかかってくるポジションと言えます。

そしてもう1つ、キック処理という仕事もある中で、より三次元的な視野も求められます。今までの話は平面上の視野に近かったですが、キックが上がると目の位置は上に上がるのは自然ですよね?実はこの切り替えが非常に難しくカウンターアタック行けるやん!キック蹴り返した方がいいやん!と言ったことは観客席やテレビでは同一視野上に入ってるので判断しやすいのですが、一瞬目線が上がることで前への視野は一瞬失われます。この視野の切り替えは慣れにもなりますが、他のポジションにも大事な事で、意識のパーセンテージの切り替えを常にやっていくと言う事は認知行動において非常に重要なんじゃないかなと思います。

話は少し変わりますが、今様々なトレーニングやコンディショニング調整において、自分の感覚的なものを10段階等にわけて評価すると言う事が非常に重要視されています。コンタクトを常に10でするのではなく、状況にあわせて6や8の力でやる。それを練習の中で自分の感覚で常に試していく。また、練習の満足度や疲労度等を常に自分で設定しておくことで、今の自分を客観的に見る事がしやすくなり怪我を防いだり、マンネリ化を防止することにつながるそうです。少し話が逸れた部分もありますが、視野の確保や認知もそれに近く、"どこに"、"どれくらい"のイメージで意識を持っていくかと言う事が非常に重要でキックキャッチはそれがもっとも露骨に出るプレーなんじゃないかな?と感じます。

そして最後にSOですが…上記で説明した複合ですよね。全方面に気を配るのは当然ですが、自分の意識をどこにどのくらいの配分で置いておくのか。基本的に、現代では相手のウイングのディフェンスの位置あたりに意識を置くことで全体のコントロールがしやすい、といった考え方が一般的です。ただし、自分の前の近いところから確認するのは、ある意味必然で当然であるとも言えますよね。

では、結局意思決定が素晴らしい、とか二手先を読んでるというのは、結局なにしてるん?どうしたらそうなれるん?というのがこの話の落としどころになるはずですよね?結論を言ってしまえば、この"確認を常に怠らないこと"です。ある程度ルールに沿ったセオリーがラグビーにはどうしても出てきます。そこから少しの差で様々なランダム的な要素が起こることになります。その可能性に常に意識を張り巡らせること。それをチームとしてどれだけ共有していけるか?というところが、意思決定なんて言われてるもののなにより重要視される部分じゃないでしょうか?

その為に、常に視野を確保しながら認知行動を続けることが、プレーヤーとして上手くなるコツみたいなものといえるんじゃないでしょうか?もちろん、観戦をする方がさらにゲームを楽しむには、こういった考えで見るとまた違った味わい方ができるんじゃないかなと思います。

肝心の、バレット選手のポジションがSOのほうがいいのではないか?の理由としては、その意識の配分がやはり一番スムーズになるのはどこか?という部分なんですよね。もちろん、後ろから常に広い視野を確保してプレーするのも出来るプレーヤーではあります。SOからFBは視野が確保はしやすいため、比較的すんなりコンバートが出来る面はあります。ただ、ブルーズでのプレー等を見ていても、ラインの中で判断をしながら、ラインから離れた時のプレーがなにより魅力的なプレーヤーだと感じます。意識の割合がその方がやりやすいんだろうなとも感じます。結局自然にラインに入ってしまってる時も多いですから、意識しないと離れられないのはプラスにもなりますが、マイナスの方が大きい感じもします。個人的な見立てなので、本人はそう思ってるかわかりませんが。

今回はザっと表面的な説明でしたので、もっと掘り下げた話を聞きたければ、また個人的に聞いていたただけたらなと思います。

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