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マカオのギャンブル依存症対策 ”自己隔離”とは?

先週、国会で成立したカジノや会議場、
ホテルなどが一体となった施設
「IR=統合型リゾート」の整備法。
カジノが解禁されることから
与党内からも “ギャンブル依存症”などへの
懸念の声があがり
実効性のある対策が必要です。
  
「世界一のカジノタウン」と言われるマカオでは
『ギャンブル依存症』と
どのように向き合っているのでしょうか。
(NEWS23 2018年7月27日放送)

マカオのIR施設に
先月オープンした豪華なホテル。

仕掛けたのは
マカオの“カジノ王 ” ローレンス・ホー氏。 
その次なる目標は、“日本への進出”です。

全国3か所まで認められる日本のIRに
世界の事業者が名乗りをあげていて
ホー氏がCEOを務める企業は
1兆円を超える投資を準備しているといいます。

今回、日本のメディアだけに
公開された会議がありました。
『ギャンブル依存症対策』について
話し合う会議です。

“ギャンブル依存症”への懸念が
根強い日本に向けて
事業者としての取り組みを
アピールする狙いです。

“社会秩序を乱す”として中国本土では
禁止されているカジノですが、
特別行政区のマカオでは唯一合法化され、
今や、ラスベガスを抜いて、
世界最大のカジノタウンに。

カジノ客目当ての貸金業者などが
並ぶ街の一角に
マカオ政府が設置した
『ギャンブル問題防止対策室』があります。

カウンセリングのほか
24時間のホットラインを設けています。

およそ1万5000人(人口の2.5%)が
『ギャンブル依存症』と推定されるマカオ。

ギャンブル依存症のカウンセラー
胡慧嫻さん:
「行動上、既に症状があらわれていても
認めたがらないです。
『私は自分をコントロールできる。
勝ったらもうやめる。』
という言葉をよく聞きます。」

マカオでは
自らをギャンブルから遠ざけるよう
こんな工夫も。

井上波記者:
「こちらの機械は
主なカジノの中に置かれているんですが
ここから“隔離申請”というものを行うと
自分がギャンブル依存症ではないかと
疑っている人は
自らカジノに入場できないように
申請をすることが出来ます」

違反した場合は罰金が課される “自己隔離”。
およそ1800人が申請したということです。

また、マカオではギャンブル依存症で
専門機関に助けを求めてくる人のおよそ4割が、
カジノで働く従業員たちだといいます。

カジノが身近な環境にあることで増す
“ギャンブル依存症”の危険性。
自治体や事業者などが連携して
対策にあたることが不可欠となりそうです。