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タイ南部国境県テロ取材「今日も現場にいます」

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世界有数の観光立国、微笑みの国のタイの最南端は、長い間テロが続くムスリムたちの土地。バンコクからマレーシア国境まで1,300キロ超、いつ終わるとも知れない当地テロを2004年から… もっと読む
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2017年12月の記事一覧

Chapter 4 地元ムスリムを巻き込んで身柄拘束

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 「南部国境県のテロを追ってみよう」。スンガイコーロックでの事件の3カ月後、気合いを入れて列車で再びやってきた。今度はエアコン2等座席だったが、帰りは席が取れずにまたもや苦痛のエアコンなし3等座席に。

 スンガイコーロックの隣にスンガイパーディーという町がある。このころ、マレー系分離独立派組織はイラクのイスラム過激派の影響を受けてか、仏教徒住民を殺害・斬首するといった凶悪テロに走っていた。特にス

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Chapter 5 独立も当然? 人口の過半数はマレー系

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 南部国境県の現地での取材は年に3~4回。鉄道を止めてバンコクから車で取材に出掛けていた頃もあったが、食事とトイレ以外休みなしでひたすら走っても15時間、休憩を取って余裕なんてかましていると20時間もかかるので、そうそう行っていられない。この数年はタイ南部最大の商業都市であるソンクラー県ハジャイまで空路、そこでレンタカーを借りて南部国境県へ、という楽な移動に慣れてしまっている。飛行時間は1時間半、

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