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Chapter 2 首相歓迎テロ-2

 政府要人が南部国境県を訪れると威嚇というべきか歓迎というべきか、必ずテロが起こる。今日は夕方ぐらいには起きるだろうと見込んで、夕方から再びレスキュー隊で粘っていたが、午後7時になっても町中は平穏。
「もう帰ろうか……」
と連れのカメラマンと肩を落としながら引き揚げた。

 レスキュー隊から車で1分のホテルの駐車場に車を停め、ロビーに上がる。フロントで鍵をもらい、エレベーターに乗る。ドアが閉まりかけたとき、ムスリムの女性がエレベーターに近づいてくるのが見えたため、閉まるドアを開けようとボタンを押したその瞬間、
「ボンッ」

という鈍い音が外で鳴った。

爆弾を入れたバッグが置かれた電話ボックス

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