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Chapter 6 陸軍兵士になった地元ムスリム

 2007年9月1日、ヤラー県ヤラー国鉄駅前。事件もなく、やることなく、暇。

 駅前で警戒中の陸軍兵士に話しかけてみる。警戒というよりは仲間の兵士と何やら買い物中で、みんなが戻ってくるまで時間を潰しているような雰囲気。彼が手にしているドイツ製HK33が気になる。

 「あんた外国人か? え、日本人か? 日本人がなぜ南部なんかに取材に来るんだ? うちの部隊はこの銃とM16A1だ」。
「ああ、それじゃ部隊内で弾の互換性はあるんだ」。
タイは国軍でも警察でも多種多様な小銃を採用、1つの部隊で数種類を使用していることがある。自衛隊にいたことがある自分としては、弾の互換性が気になる。戦闘中に弾が不足したとき、種類が異なると使い回しができないからだ。タイでは米国製M16A1と同A2をよく見かけるが、この2種類も弾のサイズが異なる。わずか1~2mm、慣れないととっさのときに間違うと思うのだが。HK33はM16A1の弾を共用できるようだ。

くわえタバコのムスリム兵士

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