見出し画像

うなぎ好きとしては無視できない。天五にある老舗の「魚伊」二号店

うなぎと言えば、「夏」をイメージするじゃないですか。

土用の丑の日に食べることが多いからなんでしょうけど、実はうなぎの旬て「秋〜冬」にかけてらしいんですね。寒くなると脂がのってくるそうで。

じゃあなぜ、夏に食べる機会が多いのかというと、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は江戸時代から始まったものらしく、発端は蘭学者の平賀源内が宣伝したことと言われています。(※諸説あり)

そんなキャンペーンが現代でも続いており、「うなぎは夏に食べるものだ」という凝り固まった考えをまんまと植え付けられて生きてきたので、夏以外に食べることは皆無でした。

その分、これまでの人生では土用の丑の日に、がっつりとうなぎを楽しんできました。

ところが、今年の夏はうなぎを食べる機会がなかったんです。

そんなわけで、やはり幼少期から続けていた習慣がなくなると自然に体が欲するようになっているのか、「うなぎを食べたい」熱が、ここ数日たぎりにたぎってきましてですね

今週のランチ外食を、迷わずうなぎに決めたことは言うまでもありません。

そうと決まればお店探しなわけですが、実は天六(天神橋筋六丁目)界隈に住むようになってから、ずっと気になっていたうなぎ屋さんがあったので、そちらにお邪魔することにしました。

それが、天神橋筋商店街にお店を構えておられる「魚伊」さん。

こんな感じでデカデカと「鰻」の文字が掲げられています。

創業時期には「慶応」の文字。
大阪を代表する老舗のうなぎ屋さんですね。
ちなみに、こちらは二号店。

近所なので、よくこのあたりを通るたびに、「うなぎ好きとしては無視できない」と思いながら、はや6年が経過していました。

「6年経過している時点で無視してるやんけ」という的を射たツッコミも想起されていらっしゃることでしょうが、「ここへうなぎを食べに来るんだ」という思いの火は、お店を見つけた日から消えたことはありません。

誰かと店の前を通るたびに「ここでうなぎ食べたい」を連呼していましたし。

というわけで、ようやく念願叶い、魚伊さんでうなぎを食すことになりました。

メニューは豊富で、画像に載せたもの以外にもたくさん。ひつまぶしとか、せいろむしとか。

それらも魅力的だったのですが、ここはやはりシンプルにうな重を楽しみたい。

席につくやいなや、夏に食いそびれたうなぎを取り返すべく、全力で「うな重(上)」(3,600円)を注文しました。

いつもなら金額に日和って、「うな重」(2,500円)を注文してしまうところでしたが、今回ばかりは違います。

なんたって今年初のうな重ですからね。奮発してやりましたよ。

期待感を胸に、ワクワクしながら待つこと数分。

・・・おいでなすりました。

興奮を抑えながら、重厚な蓋を開けると、そこには美しく焼き上げられたうなぎの姿。

良い。

すべてが良い。

鼻腔をくすぐる、香ばしくも芳しい香り。
視力が回復しそうなほどに美しい、艶のある身。
口の中を決壊寸前にさせる、タレが染みた米。

この五感にダイレクトに訴えかけてくる感じ。

これです。
これが食べたかったんです。

早速いただきましょう。

ふっくらした身は箸を入れたら簡単にくずれるほどに柔らかく、皮は香ばしく焼き上げられています。

当然ながら、めちゃくちゃに美味。

タレもしつこすぎないのがいいですね。
言うまでもなく、ご飯にもベストマッチです。

あきまへんわ、これ。
箸が止まりまへんで。

ご飯大盛りにしておけばよかった」と、一口目から猛烈に後悔しました。

2023年で最大の後悔かもしれません。

高揚した心と、とどまることを知らない食欲を落ち着けるために、お吸い物をいただきます。

このお吸い物が、また心憎い。

優しくも深みのある味わい。
仕事の丁寧さが伝わってきますね。

肝も入っています。ぷりっぷりでした。
美味いいぃぃぃぃ。

お漬物も奈良漬があり、奈良漬好きとしては嬉しい限り。

口の中がタレ味で満たされ続けたら、お吸い物とお漬物でリセット。

そしてまた、うな重をかき込む。

それを無心で繰り返します。

世界一幸せなルーティンがここに完成しました。

夏に食いそびれたおかげで、念願の魚伊さんでうなぎが食べられたようなものなので、半年前にうなぎを食いそびれた自分を褒めたいと思います。

2023年最大のファインプレーだったかもしれません。

炭焼きうなぎの魚伊 天五店
大阪府大阪市北区天神橋5丁目5-5



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?