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ニューヨーカーが優しい理由。自分に我慢がない人は人を批判しない。

ニューヨーカーは自分の気持ちに正直だ。


腹が立てば、電車だろうがお店だろうが気にせず怒りを爆発させる。

ある日電車に乗っていると、ある男性が他の乗客に大声で怒鳴っていた。

ケンカか?!と思って見てみると、どうやら違った。怒りをあらわにしている男性は、先ほど電車内で激しく誰かに押されたらしく、その怒りを他の乗客に「考えられないだろう!?」と大声で説明していたのだった。

大量の汗をかきながら、身振り手振りで「ありえなさ」を説明する男性は、まるで子どものようだった。

愚痴を聞かされている男性も、嫌がるでもなく、それどころか目を丸くさせ「本当か?!それはありえないな!あなたは絶対的に正しい!」と激しく同意していた。

そして彼らは仲良くなっていた。



本当に彼らはすぐ怒る。そしてたくさん笑う。自分の気持ちに嘘をつかない。ときに「なんてめちゃくちゃなんだ」と思うけれど、それは彼らが自分の欲求に素直に生きている結果なのだろう。


そんな環境にいるせいか、わたしもどんどん自分らしさを取り戻せている。


本来のわたしは、計画もできず、こつこつと積み上げていくこともできず、今がよければそれでいい、という人間。だけど日本で、特に社会に出てからというもの、かなり思考がガチガチになっていた。


けれどここで、自分らしく人目を気にせず生きるニューヨーカーを見て、「好きなように生きていい」「人目を気にせず、自分を出してもいい」と思えるようになった。

本来の、適当で子どもっぽくて、無知で単純なわたしを全開にして生きることができている。だから毎日が楽しい。楽しくて仕方がない。

ニューヨーカーのむちゃくちゃさを目の当たりにしても、笑って過ごせる。「うわ、むちゃくちゃだなー」とおもしろがれる。



彼らは自分に「我慢」がないから、人のめちゃくちゃな行動もあまり気にならないようだ。日本では目を細められることだって、こっちでは誰も気にしてない。


我慢なく、自分の思うように生きている人は人を批判しない。


だからニューヨーカーは優しいのかもしれない。



人間が人間らしさ全開で、かっこつけず、大人ぶらず、素敵な人を演出することなく生きられる街。大人の見た目をした子どもが暮らす街。それがニューヨーク。


そんな街では、みんな素直にならざるを得ないのかもしれない。

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