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【謝罪と告白】イスラエルが小型戦術核使用か?の誤報について謝罪いたします。

謝罪動画はこちらです。
https://youtu.be/UHhQmaKVXbI?feature=shared
10月16日にYouTube上にアップした動画で、イスラエルが小型戦術核を使用か? という動画を上げた事について、視聴者や読者の皆様方に「誤報」を
流してしまったことに対し「謝罪文」を、元Twitter Xに投稿させて頂きました。

日頃、Xを閲覧されない読者や視聴者の方々も多くいらっしゃると思いますので、この場で改めて謝罪させて頂きたいと思います。

この度は、私の動画で、アルジャジーラの飛ばし記事(ガザで4分の1核使用)を、間違った解釈をして紹介してしまい、大変申し訳ございませんでした。

英語をよく読めば、核兵器の4分の1の威力のある爆撃が行われたという意味だと分かるのに、気が焦って誤報を流してしまいました。

皆様に誤まった情報を伝えたこと、そして不安を与えたことに、心より深くお詫び申し上げます。

実は、イスラエルが最新の小型戦術核を使用したがっているという極秘の情報を聞いた直後のニュースだったため、ついに一線を超えてしまったか!と気持ちが焦り先走ってしまいました。

また、イスラエル議会(クネセト)の、与党であるリクードの女性議員が、「ガザを核で焼き払え!」と、イスラエル軍い強い圧力をかけた直後ということもあり、
実際には80発以上の核兵器や、最新鋭の超小型戦術核を保有している情報もあったので、ついに始まったと思い込んでしまいました。

今は、戦時下の情報戦と認知戦、そしてプロパガンダ戦のさなかにあり、情報を発信する側の人間として、目にした情報の安易な取り扱いには、今後十分に注意して参り所存です。
この度は、皆様に誤解と不安を与えてしまい、本当に申し訳ございませんでした。

実は、NYサバイバル、現役でフリーの雑誌記者をしていた時に、やはり戦争に関する「誤報」で大失態をやらかし、結果としては徐々に現役を退くこととなり、
失業してしまったという、恥ずかしい過去があります。

「イラク戦争前夜」と呼ばれた2002年秋、イラクが大量破壊兵器を保有しているか否かが争点となっていた頃のことです。
CNNが「巨大な地下通路を通って、大量破壊兵器の運搬を指揮した」と、ある
男性が証言するインタビュー報道を目にしました。

仰天しました。その人物は、以前私の上司であったジャーナリストと、出版社の副編集長と一緒に、車で砂漠の道を何十時間もかけて行った、当時バグダッドの
大統領宮殿で、インタビューをした人物だったからです。

名前はアッバス・アル・ジャナビといい、サダム・フセインの長男ウダイ・フセインの元秘書長でした。彼は、フセイン家の最側近で、当時イラクの最奥部を
知る人物でした。
その彼が、イラク戦争が勃発する直前にイラクを脱出し、トルコ経由でイギリスに亡命していたのです。おそらく、イギリスの亡命プログラムの保護下に置かれていたのでしょう。

私は、早速この第一報を上司に伝え、編集部に連絡して、ロンドンに飛びました。

友人のヨルダン・タイムズの記者に、接触出来ないか相談すると、数日後に取材OKの返事が来ました。

ロンドン市内の待ち合わせ場所で、午後1時に会うというアポを取り付け、待ちましたが、待てど暮らせど本人は現れません。
(中東取材は、いつも時間がルーズで、日本人はヤキモキさせられました)

午後5時ごろ、ようやくドアのノックされ、開けると、顔中傷だらけのジャナビ氏が立っていました。顔の傷のあまりの生々しさに、彼がどんな目に遭い、亡命に
至ったかを察しました。

取材部屋で、およそ2時間にわたって、彼の話を聞きました。

イラクからの亡命の経緯。本当に大量破壊兵器を地下通路から搬送したのか?
いつ、どうやって、何の目的で運んだのか、徹底的に聞き込みました。

「サダムフセインの長男・ウダイの元秘書が“フセイン家の犯罪“を衝撃告発!」
という記事を書き、雑誌に掲載される運びとなりました。
(スクープを取ったと有頂天になっておりました)

しかし、雑誌が発売される前日、不思議なことが起こったのです。
ある大手新聞の朝刊に、同じくジャナビ氏がイラク国内で、大量破壊壁の存在を
大量破壊兵器の存在を証言した!という論説記事が掲載されたのです。

大手通信社もまた、同じ記事を全国の新聞に配信しました。

ジャナビ氏が、待ち合わせ場所に遅れてやって来た理由は、彼が二股三股をかけて、日本のメディアに情報を売り込んだことに、私はようやく気づきました。

そして、大手新聞・通信社が利用している、大手印刷会社が、記事のゲラを事前に見て、雑誌の発売日の直前に、わざと報道したのだと悟りました。

「何で止められなかったんだ」と激怒する副編集長。
「大手新聞社には、印刷所を一日中張り込んでいる人員が、出来上がったゲラを事前に入手していた」と釈明する私…。

そして何よりも、既にお気づきでしょうが、

イラク戦争開戦の大義として掲げられた「大量破壊兵器」は、終戦後、イラクを占領した米軍が、どこを探しても結局は発見には至らなかったことです。
パパブッシュが始めた「湾岸戦争」の大義だった、ナイラという少女の「病院で赤ちゃんがイラク軍に殺された」という証言が嘘だったように、

イラクのフセイン親子の側近だった、ジャナビ氏の「大量破壊兵器は存在する」という証言もまた、嘘だったのです。
亡命先のイギリスの保護下に置いてもらうことへの引き換えに、この情報を世界中のメディアで証言させられたのかもしれませんが、真実は謎のままです。

いづれにせよ、この嘘の証言が世界中に報じられるや否や、テレビや新聞の報道知った人々たちから怒りの声が巻き起こり、世論の支持というお墨付きを得たと判断してブッシュ親子が始めた「二つの戦争」。

この二つの戦争で、どれだけの罪のない民間人が亡くなったことでしょうか。

私は、イラク戦争開戦の決め手となってしまった、ジャナビ証言を、特集記事として大々的に報じたことを恥じて、この場を借りて改めて謝罪します。

多くの人々が命を落としてしまったことは、もう取り返しがつきません。
どう釈明しても、嘘を信じてペンを走らせたことは事実です。たとえ切腹して果てたとしても、償いきれるものではありません。

しかし、第一報を報じたCNNをはじめその他の欧米メディア。その情報を間に受けて日本全国に配信した大手通信社や大手新聞社の記者や、責任者らが、公に世間に対して謝罪したでしょうか?
謝罪などしていません。

ニューヨークで911事件が起きた当日、アメリカメディアは、ワシントンDCに向かっていたユナイテッド航空機を、米空軍が撃墜したと速報を打ちましたが、
その後、そのその話うやむやになり、その後一斉触れらなくなりました。
真実は、闇に葬られてしまったのです。
そして、第一報をブレーキング・ニュースとして報じたメディア各社は、謝罪も訂正も一切していません。

これが、「戦争とメディアの闇」だと私は思います。

現地を取材していると「事実」と「真実」が、時として全く異なることに気づか
されることが多々ありました。

例えば、ジャナビ氏が亡命したことは事実でしたが、大量破壊兵器の保有は事実ではなく、西側のメディアに誤報を意図的に流布する当事者に仕立て上げられた。それこそが真実でした。

現在の、イスラエルとパレスチナの戦況で言えば、ガザの病院が爆撃されて、多くの人々が命を落としたことは事実ですが、どこの勢力が爆撃したのかは、
イスラエル側もハマス側も双方が、自分たちではないと主張し、第3の勢力である
「イスラミック・ジハード(イスラム聖戦)の仕業だと主張してします。

結局、戦争の真実とは、戦争が終結した後に現地調査が行われて、初めて明かされるのです。しかも、そこで明かされた事実ですら、戦勝国側にとって都合良く
書き換えられて公表されるのと思います。その事実の裏に隠されているものこそ
が「真実」と言えるのではないでしょうか。

そして、その「真実」に迫ろうとすればするほど、見えない圧力がかかり、私の元同僚は、それで命を落としてしまいました。
ドバイ在住のインド人ジャーナリストでした。イラクから帰国した直後に、心筋梗塞で亡くなりました。
私の友人の1人で、金沢大学に留学していた、日本語が流暢なイラク人外交官も、交通事故で亡くなりました。彼とは情報交換をしていましたが、あるときプッツリと連絡が途絶えてしまったのです。

インド人ジャーナリストの方は、イスラム教過激派テロ組織である、アルカイダやハマスが、実は欧米の諜報機関の特殊部隊によって、意図的に作られたという
情報をつかみ、それを知らせようとしていました。
イスラエルが核保有している実態についても、新聞で暴こうとしていました。

今回、私の先走った愚かな過ちで、ついにイスラエルが核を使用したと誤報を流してしまいました。
しかし、彼らが、アタッシュケースほどの箱に入るほど超小型化された、最新鋭の「戦術核兵器」を保有しており、それを使用する意欲が非常に強いという情報
があるのも事実です。

戦時下においては、こうした情報は偽情報でフェイクだから信じてはいけない、テレビや新聞が配信する情報こそが正しいと、常に強調されています。

YouTubeなどで「自分の情報こそが正しい!」と胸を張って発信することは、大変おこがましいことだと、自分自身、猛反省しております。
それは、情報を受け取る側の人々の判断に委ねられるべきだからです。

そのことを承知した上で、新たな情報を一つシェアさせてください。
今回、イスラエル支持を表明した世界各国、アメリカを筆頭に、数カ国が既に支持を表明し、その中には日本も含まれています。そうした国々には、既にハマスの戦闘員が潜伏し、大規模なテロを企図している可能性が高まっているとの情報
があります。

NYに住む私も当然、無事では済まされませんが、大都市圏にお住まいの方々、どうか、そうした兆候があることを、心の隅のどこかに留め置きいただければと思います。

私は、イスラエルが憎いわけでも、パレスチナが憎いわけでもありません。
戦争という暴力が憎いし、テロ行為という暴力を憎みます。

中東で勃発した戦争が、世界に拡大しないことを心から願ってやみません。

ここま読んでくださり、本当にありがとうございました。
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