短歌まとめ 2023.7

天の川(僕らはみんな生きている)(猩猩蠅はティッシュで潰す)

目の端でうろつく小蠅幸せになりたい私ただ落ちる夢

蠅がまた蠅を産むとき僕たちはミルキーウェイのあぶくの一つ

赤い花優しく染めて大火傷そのまま絞めて少し可笑しい

よくないね人が死んだら悲しいねピンクのハート少し寂しい

身の丈の煌めきを摂る(他人事)打ち上げ花火は少しうるさい

歯を見せて幸せそうに笑いなさい表も裏も少し汚い

嫌われる前から嫌い 青色のものは何でも少し冷たい

しんどいね関係ないよかわいいね関係ないよ少し重たい

七色の光 きれいに見えるもの 世界全部が少し醜い

少しずつ言い訳をして老いていく 枯れていく花 少し生きてる

かたむすび恋によく似た花を踏むなかったことにできてうれしい

はじめからやり直すには何が要るカットフルーツに西日が差して

おおじごく猩猩蠅もあの星もミルキーウェイで生まれて死ねる

ひとでなし副流煙で満たす部屋、空色の空、灰色の灰

さようなら百万回の指切りは恋を知らない孵卵器の夢

かようびは燃えるゴミの日燃えてくれ、星だった君、君だった灰

ひからない再生ボタンピースオブケーキうそつきオーバードーズ

ありふれた桎梏依存ありふれた哀悼作家ありふれた馬鹿

たてむすび君によく似た声を聞くイヤホンコードが首に絡まる


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