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The Police / Outlandos d'Amour (1978)

ロック史上最強のトリオ、ザ・ポリスのファースト・アルバムは、パンクのフリをしながらもロックとレゲエを高次元に融合させた、革新的で完成度の高い名盤。

プログレ・バンド出身のドラマー、スチュアート・コープランドが、地元ニューカッスルでジャズ・バンドをやっていたベーシスト/シンガー、スティングを誘い、アニマルズなどのバンドやセッション・ギタリストとして活動してきた一回り年上のアンディ・サマーズをデビュー直前に引き入れて結成されたザ・ポリス。

各自ある程度のキャリアを積んできた中で得たロックやジャズやプログレの素養を、レベル・ミュージックとしてパンクと似た境遇にあったレゲエと掛け合わせ、一大ムーヴメントを起こしていたパンクの勢いを(名ばかり)借りて疾走する本作は、パンクとしては異様なまでの音楽的な知性と技術の高さが際立つ。

その卓越した演奏技術は当然パンク・バンドのそれとは別次元で、革新的な音楽性を見事に自分のものにし、スティングのハイトーンのヴォーカルもその曲調に絶妙にマッチしていた。

のちの彼らからは想像しにくいストレートなロック・ナンバーもありながら、ホワイト・レゲエの確立やポエトリー・リーディングの導入など、”オールド・ルーキー”ならではのこだわりと余裕と挑戦心がみられる。

1作目からすでにパンクではなく、初めからニュー・ウェイヴの旗手だったのかもしれない。



こうしてあらためてポリスを聴いていると、1978年デビューだからといってパンクとして一緒くたに括るのは無理があると思える。
鋭く尖ったセンスと流麗な音楽フォルムは唯一無二。ポリスっぽいバンドってそういえばいないよな…。

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