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カメムシの話

 カメムシに詳しくなりましょう!というnoteを期待された方、ごめんなさい。オウンドメディア、コンテンツマーケティングの話です。

   ちょうど2年前、次世代マーケティングプラットフォーム研究会でオウンドメディアのパネルディスカッションに出て欲しいと日本コカコーラ,日本マイクロソフト,IMJ,DeNAでマーケティング・メディアの幹部を歴任された事業構想大学院大学教授の江端氏に依頼されました。即答で参加させていただきました。
 モデレーターがアンバサダープログラムでもお馴染みの超著名ブロガー徳力氏、私以外に江端氏とLIFULL HOME'Sでお馴染みの株式会社ネクスト、NECの方がパネリストで出ました。

 ネクストさんのオウンドメディアは、住宅の最新トレンドや専門家による正しい住宅情報を発信していく HOME'S PRESSであり、

 NECさんのオウンドメディアは、ビジネスブレークスルーの“場”としてBtoBマーケティングの起点となるWISDOMです。WISDOMは先日私も対談で参加させていただきました。

 さて、私がオウンドメディアの話として話したのは、オウンドメディア、ECサイト、会員サイト、店舗情報サイトの機能を1つに統合したココカラクラブのオウンドメディア要素である「あなたのお悩みは?」「お役立ち情報」の二つです。

  「あなたのお悩みは?」は薬の説明書きの効能・効果「せき・たん」という情報だけでは、自分の症状・体質に合った薬を百種類以上の咳止め薬から選べないですので、薬剤師が徹底的に調べて特徴のある薬を一般の方が選ぶヒントになるように作ったものです。

 「お役立ち情報」はドラッグストアの機能である健康・美容・生活にお役立てる情報を発信していくというコンテンツマーケティングとしては、ありふれた手法のものです。

流入爆増!でも……

 このお役立ち情報の中に、表題である「カメムシ撃退」のコンテンツがありました。このコンテンツは私がグループのWebサイトを管掌する前から存在していました。
 ある年の秋に、Webマーケ担当者から「カメムシのページからのサイト流入が激増しています。」という報告を受けました。秋にカメムシが急増したことで「カメムシ 撃退」で検索した時に1番目に表示される状態になっていた(つまりSEOが効いていた)ページに流入したわけです。
 恥ずかしながら初めて中身をじっくり読んでみると「日本にはカメムシの仲間が○種類いて、主に見かけるのは…………アシアカカメムシは日本の北部に住んでおり、最南部で○×県に出現…………」とカメムシのありとあらゆる情報を盛り込んだものになっていました。おそらく外部ライター依頼して、どの検索ワードでも引っかかるようにこういうものになっていたのだと思います。
 しかしながら、流入ワードは「カメムシ 撃退」です。カメムシの生態を知りたい人や学術的情報が欲しい人がページに来ているわけではないのです。カメムシを見かけて、撃退したい人がたどり着いたわけです。この人たちにとって「お役立ち情報」ではないですよねw 
「カメムシ 撃退」の方法を探しているのに、何とかカメムシがどこに住んでいるとかの情報を読んで、カメムシが退治出来ますか?有難いですか!?(と笑いが取れたので、この年秋のアドテック東京でも同じ話をしました) というわけで、撃退法、侵入防止の方法、臭いを出された後の消し方に絞ってリライトを行いました。

 上のリンクにリライト後が載っていますので、カメムシの撃退方法が気になる方はどうぞ。結果としてSEO効果を失い「カメムシ 撃退」でたどり着く方は減りました。

そのコンテンツの目的は誰のため?何のため?

 PVは減りましたが、これで良かったのだと思っています。当時ちょうどwelq問題が燃えさかっている時で、比較として下の図で解説したわけです。

 オウンドメディアにおけるコンテンツというものは、PV上がればどうでも良い…ではなくて、目的を果たせるかどうかを常に自問自答すべきだと思うのです。

 スライドは「アドテック東京2017 c−8 オウンドメディア活性化のためのチームづくり Team Building for Activation of Owned-Media」で使用したものを張りました。
 このセッションもモデレーターに元アウディで2月から…の井上氏、スピーカーがクレディセゾンの栗田氏、中川政七商店の緒方氏と異常に濃いメンバーで楽しかったです。登壇後の写真の明暗がなんとも言えない感じです。

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