ベトナム・ホーチミンの雨季は5月～10月。雨季の間は、毎日のように雨が降る。といっても、1日中降り続けるわけではなく、一時的にスコールという大量の雨が短時間にザーッと降るスタイルだ。

正直、雨が降るとめんどくさい。移動手段の主流はバイクであり、雨が降るもんなら大変だ。レインコートをかぶらないといけないし、かぶっている間も絶賛びしょぬれ中。そもそも、こんなザーザーの中、地元のベトナム人の人たちは、みんな普通にバイクを運転してるんだからすごい。私はもはや目を開けられないし、コンタクトはずれてしまう。ヘルメットのガラス面越しにしたって、雨が大量につくわけで、視界は悪いだろうに、、あぶなくね？と思いながら、普通に運転しているベトナム人を尊敬する。

ちなみに、Grabバイクに乗っていると、ドライバーの人はだいたいもう一つレインコートを持っているから、乗客に貸してくれる。もしくはドライバーのレインコートが2人乗り用で後ろの人まですっぽり被れるようになっていて、まるっと後ろの席でレインコートの下にくるまってることもある笑
レインコートはちょっと生乾きのにおいがすることも多いけどｗ

タクシーもなかなかつかまらなくなるし、タクシーを探そうと思えば需要過多で運賃の値上がりが半端ないし。とにかく雨が降ると面倒で不便になるが、意外と雨も悪くないと思えるベトナムでのエピソードを綴ってみようと思う。

場所は、ホーチミン（サイゴン）。私のホーチミンでの実体験において気に入ったシーンを切り取ってみる。ここから、ホーチミンのことをあえて「サイゴン」と呼ぶことにする。ホーチミン市の旧名（南ベトナムの首都）だが、今でもよく使われている呼び名であり、「小じゃれた雰囲気やモダンさ」を含む意味合いを持っているとされているので、なんだか雨のホーチミンには「サイゴン」という名前がしっくりくる気がしているから。

Oriental Paris in the rain～オペラハウス・人民市庁舎前にて～

まず、サイゴンの中心地にある観光名所の1つ、オペラハウスと人民委員会庁舎。サイゴンの中でもかなり栄えていて、道路もモダンなスタイルで整備されているこの地に雨が降り、車のライトで反射する光がとても美しい。

フランスの統治時代に建てられたフランスのバロック式のオペラハウスやコロニアル式の人民委員会市庁舎と雨を見ると、パリが舞台のアメリカ映画『ミッドナイト・イン・パリ』の情景が彷彿とさせられる。劇中の「雨のパリは一番素敵」という言葉を思い出す。

ミッドナイトインパリでは、1900年代前半にタイムスリップしてしまうんだけど、その古き良きパリが素敵で、その感じを私も出したくって、古めのフィルムカメラ（といっても自分が生まれた1997年製だけど）で写真を撮ってみた。

それと、この光景を目にしたらLAUVの「Paris in the rain」という曲も思い出した。相手をとにかく想う、ラブソング。"君といればまるで雨の中のパリにいるみたいだから"という歌詞があって。やはり雨のパリはロマンティックで特別なんだろうなぁ。私も行ってみたいな。

サイゴンは、「東洋のパリ」とも呼ばれているので、サイゴンで雨のパリを彷彿とさせるこのシチュエーションを勝手に「Oriental Paris in the rain」と名付けたい笑

ブックストリートで雨をBGMに読書。雨上がりを待つ

これも1区の観光名所の1つ、サイゴン中央郵便局の脇に広がる1本の通り。「ブックストリート（Duong Nha Sach）」と呼ばれ、本屋さんやブックカフェなどが立ち並ぶ本好きにはたまらない。私は、ここの1つのブックカフェで日本から持ってきた本をひたすら読んだ。

ちなみに、ブックカフェといっても、完全なる室内ではない。ストリート沿いにあるカフェは、窓やドアなどはなく、屋根がついていて屋外のブックストリートを眺める構図になっている。雨が吹き込むことはないけれど、雨を目の前にして過ごすことができる。

雨をBGMにしながらの読書はなぜだか意外にもページをめくる手がどんどん進んでしまう。共感してくれる人がいるかわからないけど笑
無音でもノリノリの音楽でもない、ちょうどよいBGMになっているのかも。（ちなみに後で雨が強くなって一時的に停電になっちゃったことがあったｗ）読書に集中したいときの個人的穴場スポットだ。雨のサイゴンでの読書。完璧！！

これからもサイゴンの雨を楽しみ、たくさんの思い出を作っていきたい。

超余談だけど、雨の曲といえば、韓国の歌手ポールキムのRainも大好き。ポールキムは韓ドラのOST（オリジナルサウンドトラック）もたくさん出てますね。