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#029 2学期スタート 黄金のトリプルスリー

「黄金の3日間」は、教師をしている人なら1度は聞いたことがある言葉だと思う。年度初めの3日間をどう過ごすかで1年間の学級経営の質が大きく変わり、学級づくりの基礎の基礎を作る大切なものである。私も「黄金の3日間」の大切さは痛感しているし、今後も意識していくと思う。ただ、黄金の「3日間」にスポットライトが上がっているが、本当の「黄金」の3日間にするためにはその前後も大切である。

黄金のトリプルスリーとは

黄金のトリプルスリーとは、黄金の三日間になぞって、出会いの3時間 定着の3週間を加えた三つのスリーである。出会いがよくなければ、黄金の3日間で大切なことを伝えても子ども達に入っていかないし、ある期間(ここでは3週間)かけて丁寧に定着させなくては絵に描いた餅になってしまう。

黄金のトリプルスリー「出会いの3時間」

 学級開きや長期休暇明け初日、子ども達は緊張や不安を持って登校している。その緊張をほぐしたり不安を取り除いたりしていかなければいけない。初日で心を開くことは難しいが初日で心を閉ざされてしまうことは容易に考えられる。そこで、出会いの3時間(初日)に、子ども達の心を少しでも掴めるように準備することが大切である。
 キーワードは、「計画・笑顔・空白」である。この3時間は一言一句準備するぐらいの気持ちで「計画」を練っておきたい。そして、意識して「笑顔」で臨むようにする。笑顔を伝染する。一方で緊張感も伝染してしまう。教師が笑顔を意識することで子ども達も笑顔になり心がほぐれる。そして、計画の中に「空白」を作るようにしておく。教育現場には、必ずイレギュラーなトラブルが起こる。初めて顔合わせたり久しぶりの再会だったりすると尚更だ。そのため、計画にゆとりを持たせて、心にもゆとりを持って対応できるようにしたい。

黄金のトリプルスリー「中核の3日間」

 続いて「中核の3日間」である。これがよく言われている「黄金の3日間」である。ここで、しっかりとルールを提示し、安心感を与えていくことで1年間(今学期)の希望が持てる。前向きに学習していく雰囲気作りとなる。
 キーワードは、「明文化・一貫性・楽しさ」である。ルールや学習システムを下す段階になるが、ここではしっかりと「明文化」して提示できるようにしたい。今後、柔軟に変更したり工夫したりしていくが、基本となる考えは全体で共有できていなくてはならない。そのため、「一貫」した指導をしていくことが大切である。明文化した規則に則って一貫した指導を進めたい。そして、ここで大切になってくるのが「楽しさ」である。強固に固めたルールが明文化され一貫された指導をされると子ども達は息詰まり、疲れてしまう。そこで、楽しさを交えることを忘れないようにようにしたい。「ユーモアのある指導」や「リフレーミング」を意識するのである。「〇〇するべきだ。」ではなく、「〇〇をすると、さらにレベルアップできるぞ。」など、少し意識するだけで厳しさの中にも楽しさが生まれる。

黄金のトリプルスリー「定着の3週間」

 中核黄金の3日間で下ろしたルールや学習システムを定着させ、安心感や期待感を強めていくのが定着の3週間である。黄金の3日間を終えたからといって手を休めるのではなく定着の3週間を大切にして、良い学級を作っていく。
 キーワードは、「継続・安心・成長」である。単発で、〇〇をすることは容易である。それを「継続」することが大切となってくる。この3週間、継続して指導することで習慣とするのである。しかし、ついてくることができない子もいる。そこで大切なのが「安心」感を与える指導・声掛けである。「自分はここで学んでも良い。居場所がある。」という安心感を与えることが大切である。そして、その安心感と同じくらい、「自分が成長している。」という「成長」を感じられるようにしていく必要がある。新しい環境や新たな気持ちで年度初めや学期初めの子ども達はよく頑張っている。そのことが報われているということをしっかり言葉や成果物を使って伝えていく。すると、自己有用感が高まり新たな学びのモチベーションとなる。

おまけのスリー「出会いの3秒間」、「進化の3ヶ月間」

 黄金のトリプルスリーからは漏れてしまったが、子どもと出会う瞬間も意識して臨みたい。メラビアンの法則によると、人は視覚情報が優位に働く。出会いの服装、髪型、表情に意識を向け、素晴らしい出会いを演出しよう。
 また、定着の3週間を含めた3ヶ月(1学期)でいかに学級や個人が成長するかで、2学期以降の成長が変わる。そこを意識して、学級を作ることで2学期以降は担任も想像できないような進化を遂げていく。

まとめ

 いよいよ新学期が始める。その前に、意識できることをわかりやすくまとめた。今から大きな準備はできない。しかし、意識を持ってくることはできる。出会ってから(3秒)、3時間、3日間、3週間、(3ヶ月間)を目安として、ステージを変えてイメージしてみよう。12月(3月)に結局、何ができるようになったのだろう、とならないようにしてもらいたい。
 さぁ、前を向いて頑張ろう。


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