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算数の授業開き

 今年度は、6年の担任となり算数を専科として持つことになった。そこで算数の指導力を高め、主体的・対話的で深い学びを実現するために個別最適な学びと協働的な学びの実践できる一年にしたいと考えている。また、「学び方を学ぶ授業(難波駿著)」や「自由進度学習のはじめかた(蓑手章吾著)」などの教育書だけでなく、自己啓発やビジネス書を読む中で目的意識を高めることが一番大切であると感じた。そこで、1年間の算数の学習をより充実したものにするために、算数の授業開きで「なぜ、算数を学ぶのか=『算数を学ぶ目的』」考えさせたいと思う。

「なぜ算数を学ぶのか?」

 算数授業開きの初発問は「なぜ、算数を学ぶのか?」と問い、算数を学ぶ理由を考えさせる。「将来のため」や「生活で困らないようにするため」などの浅い解答が出ると予想する。そこで、なりたい職業ランキングの1〜8位(七班のため。学校の先生は除く。→学校の先生を例に紹介する。)を提示し、それらの職業と算数の関わりを可能な限りあげさせる。

小学生のなりたい職業ランキング(株式会社ベネッセコーポレーションHP)

 班の仲間(4人)話し合わせることで「お金の計算」や「物の量を計ったり長さを測定したり」など算数の必要性を多く気づかせることができる。

算数の学び方の観点から

 算数の学び方は、「問題発見→自分の考えを持つ→話し合い深める→広げて考える→振り返る、過去の学びと繋げる」が一般的な流れである。この学び方のサイクルは上記の職業でどのように生かされるかを考えさせる。
 例えば、お笑い芸人であれば『お客さんを笑わせたい(問題発見)→ギャグを増やす(自分の考え)→ギャグのパターンを作る(話し合い深める)→そのパターンで使えるギャグのレパートリーを増やす→舞台で使ってみる(振り返り、繋げる)」のようになる。

算数の見方・考え方の観点

 数学的な見方・考え方は「事象を、数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え、根拠を基に筋道を立てて考え、統合的・発展的に考えること。」である。根拠を基に筋道を立てる力が上記の職業で、どのように活かすことができるのかを考えさせる。特に算数では、新しい問題を解くときに、過去に学んだことを基に「簡単な場合に置き換えたり」「結びつけたり」する力が求められる。こういった力が将来どのように活かすことができるのかを話し合わせることで算数の内容だけでなく、学び方や見方・考え方を身に付けることが自分の将来につながっていることに気づかせ、算数を学ぶ良さに気付かせたい。

成果と課題

 今回授業開きで「なぜ算数を学ぶのか。」を子供達と考えてみて、学ぶ目的を考えることができたのは良かった。また、算数の学習内容と職業の関わりや算数の学び方と職業の関わりを考えさせることは、算数を学ぶ目的に直結することもわかった。さらに、算数の学び方(課題発見→話し合い考えを深める→考えを広め、他の場面に繋げる)が将来の働くようになっても必要な力であることに気づかせることができた。
 一方、振り返りを書かせると、算数を学ぶ理由は「大人になって困らないため」や「将来役立つため」と授業前と同じようなことを書く子もいた。これらの原因は、振り返る時間を確保できなかったことや振り返りを共有することができなかったため、言語化することができずに終わってしまったことだと思う。そのため、振り返りの時間を十分に確保する必要性を感じた。
 また、算数の内容と職業の関わりは考えやすい一方で、算数の学び方と職業の関わりは考えにくい発問であった。しかし、実際に算数の学び方と職業の関わりは抽象的でイメージが掴みにくいため、年間の授業と通してこちらから学び方が将来の職業生活につながっていることに気付かせるような授業展開をしていきたい。

まとめ

 算数の授業開きについて考えてみた。これまでは、「授業開き=授業の流れの説明、ノートの書き方の確認など」形式的なことを伝える時間となっていた。全く面白味もなく、学ぶ意味を感じさせることができていないったと気付いた。
 今回まとめてみて、算数の学習内容はもちろんのこと、算数の学び方や見方・考え方が、学習内容以上に子供達の人生を豊かにすると思った。そのことを授業開きで子供達に伝えることで、子供達にとって意味(目的)のある算数の授業が年間通して行えると思う。

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