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#063『Iメッセージ』で関わろう!

 アドラー心理学に関する書籍を読んでいる時に、『YOUメッセージ』ではなく『Iメッセージ』で伝えることの重要性について学んだ。『Iメッセージ』で伝えることを意識する中で、生徒指導の基本は『Iメッセージ』で行うことだ大切だと感じるようになった。

『Iメッセージ」と『YOUメッセージ』の違い

『Iメッセージ』とは、発信者が自分の感情や経験に焦点を当てるメッセージのことである。具体的には、「私は...」「私は感じます...」「私は観察しました...」など、自分を中心にした表現が使われる。
 例: 「私は不安に感じています」「私はあなたの行動が気になります」

 一方、『YOUメッセージ』とは、発信者が相手の行動や性格に焦点を当てるメッセージのことである。具体的には、「あなたは...」「あなたはそうです...」「あなたが...」など、相手を指摘する表現が使われる。
 例: 「あなたはいつも遅刻します」「あなたの態度が問題です」

 これらの違いは、コミュニケーションの効果や相手への影響に大きな違いをもたらす。『Iメッセージ』は、自己表現や相手とのポジティブな関係構築に有効であり、YOUメッセージは相手を攻撃したり非難したりする傾向があり、対立や防衛反応を引き起こす可能性がある。

生徒指導のおける『Iメッセージ』のメリット『YOUメッセージ』のデメリット

 生徒指導において、『Iメッセージ』と『YOUメッセージ』の使い分けは非常に重要である。

①コミュニケーションの効果
『Iメッセージ』は、教師の自己表現ため、子供は教師の感情や考えに対して、よりオープンに反応する(自由に捉える)ことができる。『YOUメッセージ』は相手を非難したり攻撃したりする可能性があるため、子供はこれに反発し、防御的になる。

②自己責任の促進
『Iメッセージ』は、子供に自分の行動や感情に責任を持つよう促す効果がある。自己認識と責任感を高めるのに役立つ。『YOUメッセージ』は、子供が自分の行動に責任を感じるよりも、相手を責める傾向があるため、自己責任感の促進には効果的ではない。

③ポジティブな関係の構築
『Iメッセージ』は、相手との良好な関係を築くための土台となる。感情や観察を共有することで、相手との絆を深めることができる。『YOUメッセージ』は、相手に攻撃的な印象を与え、関係を損なう可能性がある。

④解決策の探求
『Iメッセージ』は、問題解決に向けた建設的な対話を促進する。感情や観察を共有することで、解決策を見つけるための共通の理解を築くことができる。『YOUメッセージ』は、相手を攻撃する傾向にあるため、解決策を見つけるための対話を妨げる可能性がある。

『Iメッセージ』を使いこなすために心がけること

①感情の自覚
 自分の感情や反応について意識することが重要である(メタ認知力)。自分が何を感じているのかを理解し、それを適切に表現することができるようになる。

②具体性の追求
 感情や観察を具体的に表現することで、相手に自分の状況や立場を明確に伝えることができる。曖昧な表現ではなく、具体的な事実や観察を伝えるよう心がけたい。

③フィードバックのフレーミング
 子供にフィードバックを与える際には、「私はあなたの行動についてこう感じます」というように、自分の感情や観察を伝えることから始める。

④相手の視点の考慮
 相手(子供)の立場や視点を理解しようとする姿勢が重要である。自分の感情や観察を伝える際には、相手の反応や感情にも注意を払いながらコミュニケーションを行う。

⑤練習とフィードバックの受け入れ
『Iメッセージ』を使いこなすためには、継続的な練習とフィードバックの受け入れが必要である。日常的なコミュニケーションや指導の場で意識して実践し、その結果を振り返り、改善していくことが大切である。

まとめ

『Iメッセージ』の良さを『YOUメッセージ』と対比しながらまとめてみた。教師は、「相手を〇〇させたい。しないといけない。」という思いから『YOUメッセージ』となってしまいがちである。と『私』は思う。(→Iメッセージでまとめてみた。)そのため、意識して『Iメッセージ』を使いこなせるようにしたい。

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