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働かない方が得になる変な世界

先日いただいた仕事の話を受ける方向で進めている。
そうなると、気になってくるのが収入の額面である。
おかしな話だけど、なるべく収入が多くならないように必死で交渉している。

所得税に始まり、住民税、健康保険、その他諸々。
どの方法が金銭的に一番お得になるのか、
簡単には導き出せない、複雑怪奇な計算方法になっているところが、
この国のすごいところだ。(悪い意味で)
どんな頭のいい人が考えだしたのだろうと、いつも感心する。(悪い意味で)
頭のいい人はすぐに計算できるのかもしれないけれど、
学生時代、勉強をサボりにサボってきた私にとっては、
もう脳みそが爆発しそうなほど難解である。

「そんな細かいこと考えないで、稼げるだけ稼いだらいいじゃん」
若い頃は、ずっとそう思っていた。
けれども、物事には必ず境界線というものが存在していて、
そこのスレスレのところで、思わぬ得をすることもあれば
その反対に、損をしてしまうこともある。

会社勤めをして、日々多忙を極めていたあの頃。
源泉徴収票を見ても、なんのことだか全く意味が分からなかった。
そして、分かろうと努力をしたこともなかった。
汗水流して稼いだ自分のお金なのに、
自分がいくら税金として納めているかなんて、全然興味がなかった。
今月はいくら使えるか。
そのことしか頭になかった。

先日、友人がパート先で起こったこんな話をしてくれた。
その職場には、友人ともう一人のパートさんがいて、
もう一人のパートさんは少しでもたくさんお金を稼ぎたいと言い、
友人より毎日1時間だけ長く働いていたそうだ。
けれども、収入の額面が境界線ギリギリのところだったのだろう。
なんと、手取り額が友人の額を下回ってしまったそうなのである。
せっかくたくさん働いたのに、その分税金をたくさん納めることになり、
結果、手元に残るお金が減る。
知らないということは、恐ろしいことだ。
私も、もうずっと長い間そんな稼ぎ方をしてきたのだろう……。

全て理解した上で、納税をしているのであればいい。
でも、多くの人はそうじゃないんじゃないか。
日々の生活が少しでも楽になるようにと、
大切な多くの時間を割いて、懸命に労働している人が大半なんじゃないか。

とても残念なことだけど、
どうやらこの世は、無知な人からお金を吸い取る仕組みになっているようだ。

だから、面倒くさいとか難しそうとかそんな理由で逃げてしまうと、
ほぼ間違いなく搾取される。

働きすぎないほうが得になってしまうことがあるこの変な世の中を
なんとか少しでも賢明に泳いでいきたいものである。

国民全体の理解がもっと進めば、
今より少しは平等な世の中がやってくるのかもしれない。

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