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ブラッシュアップ親

「ねぇ、ちゃーちゃん
 どうしておまたからちがでているの?」

幼い子を持つ親になると、要約力が試される。

容赦なく降りかかる、
どうして?に対して
なるべくかみ砕いたわかりやすい表現で
きゅっと短めに答える必要があるのだ。

どう伝えたらイメージしやすいかな、
あれ、でも待てよ
もしかして自分の理解が足りていないから
どう説明していいか困ってるのでは…
と気付かされることもしばしばある。

・・・

冒頭に話を戻すと、
お風呂場でこの質問を長女から受けた時にも
一体どこからどこまでどう伝えようか、
一瞬でいろんな言葉が頭を駆け巡った。

心配そうな、少し怖がっているような彼女。
それはそうだ。
けがした時や注射の時くらいしか
血をみることなんて早々ない。

けがではないこと、
この血が出ていることは
特別なことやおかしいことではなくて、
女性の身体の成長についてまわるものだ
ということをまず伝えないといけない。

そして、こわいものではないこと。
女の人場合赤ちゃんを育てる器官を
多くの人が生まれつき持っていて、
赤ちゃんがいつ来てもいいようにふかふかのベッドを用意するしくみになっている。
今は古くなったベッドを新しくするために
こうしておまたから出している。

そんなようなことを長女に伝えると、

「あかちゃんはどうやってできるの?」

うんうん、そうだよね。
赤ちゃんは、
お父さんになるひとの赤ちゃんの素と
お母さんになるひとのたまごが
お母さんとおなかの中でひとつになった時に
できるんだよ。

「どうやっておかあさんのおなかにはいるの?」

そう思うよね、うん。
おなかの中まで、赤ちゃんの素が泳いでいくんだよ。
たまごがあるところまではとても遠いの。
だから、たどり着いて赤ちゃんの素とたまごがひとつになるのはすごいことなんだ。

「そうなんだ…」

お、引き下がった。
説明長かったもんな、
ちょっと難しかっただろうしな。

その後も日をおいて、
何度も同じようなやりとりを繰り返した。
親の要約力が鍛えられていく。

すると、いつのまにか彼女に同じ質問をすると
こう答えてくれるようになった。

「何でおまたから血が出るか知ってる?」

「しってるよ、赤ちゃんのベッドをあたらしくしてるんでしょ?」

現時点での彼女の最適解だ。

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