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神の守護は並大抵ではない

『おふでさき』という、天理教の原典があり、その第6号からの引用です。天理教の教祖(おやさま)が執筆されて、公刊されています。

それからハたしかせかいを初よと       (6-39)
    神のそふだんしまりついたり
[それからは、確か 世界を初めよと 神の相談 締まりついたり]

 
 これからわ神のしゆごとゆうものハ      (6-40)
    なみたいていな事でないそや
[これからは 神の守護とゆうものは 並大抵な事でないぞや]

<神の言葉をいかに受け取るべきか>


第6号は、明治7年の12月頃から、天理教の教祖(おやさま)が執筆されたもので、その一節です。和歌体で当時のカナ書きで書かれているので、今では分かりにくいですが、私なりに解釈してみます。神はウソはつかない、真理を語っているとみなして、理解したいと思います。

39番は、前のお歌の流れを受けて、道具と呼ばれる8つの神々と月日親神の2柱と間の相談があったことが書かれています。天理教は一神教ですが、機能的には10柱の神々が出てきます。『おふでさき』には十分書かれていませんが、明治14年、16年に「神のこうき」という信徒たちが書いた口伝書もあり、そこでは以下の様なことが説かれています。

<神の要求を断る道具の神たち>


 元は泥の海で、味気ない世界がひろがっていた。
 これを月日親神は味気なく思い、何と人間創造を思いつかれた。
 そこで、いきなり人間を直接的に作るのではなく、その媒介として道具を まず作られた。
 その道具に人間創造を相談すると、道具たちはお断りをした。なぜなら、人間は勝手な心使いをして、神に対する感謝もしないし、その与えられた自由の心で、戦争もするし、わがまますぎてしまいます。
 そこで、神様は道具とさらに相談し、約束の年限が来たら、道具を集めて、人間の神として拝をさせようということで相談が治まりました。そこで道具は一筋心を定めて、人間世界創造に協力することしました。
 これが相談の締まりの大まかな部分です。
 この説話で重要なことは神が一方的に人間を作ったのではないことです。神様と道具衆とが相談して、納得したうえで、世界創造がスタートしたという点です。 

<人間と世界の創造のストーリー>


 古事記やギリシア神話など世界の各民族には創成神話、起源神話があります。教祖が説かれた「元の理」と形容される創造神話にも、神々が相談しあい、どのようなプロセスを経て、段階を経て、人間世界が創造されたかが書かれています。 
 その時間は、9億9万9999年という時間でした。虫・鳥・畜類などに生まれ変わって、人間が創造されてきたことが書かれています。その概略しか明かされていません。
 科学的にはビッグバンの大爆発から宇宙が膨張して広がり、物質が組成され、惑星が誕生し、生命の要素がつくられ、地球という場所で生命が誕生し、何十億年の進化の過程の先に、人類がようやく生まれてきたことが分かっています。  
 宇宙創成の科学的ストーリーはある程度分かったとしても、その創造者の思惑は誰にも分かりません。
 しかし、教祖を通じて、その思惑が40番に書かれているように思います。創造者としての神様でも大変であったという宇宙の創造の時間です。そして今、私たちは、その神様によって生かされています。
 「陽気ぐらしを共に見たい」という神様の大きな思惑の中で、人類ができてきたのです。   
 生きていることがどれほど有難く、素晴らしいか。人間は神様によって生かされいます。何億年もかけてこうして生きていることを、人類は知らないといけないと思います。 



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