責任が軽くなって縮む脳ミソ
責任感をなくすと、記憶力の中枢である海馬のサイズが小さくなると、生理心理学が警告しています。
海馬が責任を処理しているのです。
例えば、定年が近くなると役職から外れ肩書きがなくなり、かつての部下から指示や指導を受ける立場に変わります。すると、見下されたように思い自尊心が傷つき、自己効力感を失います。
サラリーマンの責任が軽くなるということは、存在価値がなくなることです。
過去の貢献は無視され、最大の侮辱を受けたと、偏った認知をすることによって、恨みを持ち腹立たしくなるので、理性的な思考細胞の繋がりが断ち切られたままになります。
思考停止の状態が長く続くと海馬を使わなくなるのでサイズが小さくなってしまうのです。
頭脳は筋肉と同じで、鍛えないと萎えてしまう。アルコール依存症などの生活習慣病と同じ理屈です。
長寿科学振興財団は、正常な生活をしていても、30歳ころから脳の萎縮が始まり65歳くらいになると肉眼的にも明らかな萎縮が 見え、90歳になると60歳の脳より5~7%軽くなるといわれていると、報じています。
長生きリスクを乗り越えた成功例として、地図の歴史に登場する伊能忠敬の例があります。
家業を隠居して、56歳から亡くなる73歳まで徒歩で測量して全国の地図を作りました。誰かと出来映えを比べるようなことではなく、自分の努力を日々積み重ねた地図を眺めて、進捗を比較することが達成感で、心から楽しみが湧いてきていたと思います。
私は、66歳で定年して、密かに憧れていた悠々自適な生活を送っていました。周囲にいる人たちも「類は類を呼ぶよう」な交流で終始し、自分の経験を越えて挑戦する目標や課題がないので、わくわくするようなこともなく記憶の現状維持が難しく衰えるばかりになりました。
萎縮が体全体にあらわれ、身長が60歳時の173cmから74歳で169cmになりました。14年間で2.3%縮んで、ズボンの裾を引きずる状態になりました。
健康寿命を延ばすために、伊能忠敬のように自分の経験を突き抜ける独自の新たな目標を持って、わくわくできる唯一無二の生活に取り組むのが良いと思います。
しかし、経験のない仕事に取り組むことは、人脈の繋がりがないので、想像を超える大きな勇気と勉強が必要です。すべて自分で調べることから始めます。
忠敬のような奇跡的なことはできないまでも、社会は常に発達し、流れていますから、何某か改善の必要な穴があるのです。
私の場合は、長生き社会になって変わった年金の受給年齢の繰り下げや定年後の働き方に寄り添い、個人の開運を支援することにしました。
必要になる情報系のスキルは、28歳を師と仰いで、新しい時代に繋がる海馬を鍛える手習いをしています。
若い世代を師としてフラットに繋がれると快感です。伊能忠敬も自分より若い人を師と仰いで測量の勉強をしていたので脳みそが若かったのでしょう。
海馬は責任を感じる器官なのです。
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