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旅行は帰りのほうが早い

旅行は帰りのほうが早い
ティルブルフ大学の研究

よく旅行をする人は、行きの時間より帰りの時間のほうが短いと感じたことがあるだろう
行きは何時間もかかったのに、帰りは一瞬、そんな感覚を覚えたことはないだろうか?
研究者は、行きより帰りのほうが短く感じる現象に、リターントリップ効果という名前をつけて、実際に調べてみた

まず実際にリターントリップ効果があるのか確認するため、バスで日帰り旅行をした69人に、旅行が終わった直後にアンケートを行った
行きにかかった時間、帰りにかかった時間、旅行で一番時間が費やされたのはどこか? などが質問された

その結果、リターントリップ効果が存在することが確認された
また、行きにかかった時間を長く感じた人ほど、帰りの時間を短く感じていた

研究者は仮説を立てた
帰り道は、行きの時に一度見たから時間を早く感じたのではないか?
脳は見知った情報を処理しない、そのため時間感覚が早くなったのではないか? と
93人に旅行をしてもらい、二つのグループ分けた
一つ目のグループは行きも帰りも同じ道
二つ目のグループは行きと帰りで違う道(時間や距離は同じになるように調整)

その結果、関係がなかった
両グループともリターントリップ効果が起きていた

次に、時間の予想について仮説を立てた
旅行をする前にどれくらい時間がかかるか予想する
その予想が関係しているのではないか?

139人にビデオを見てもらった
内容は、自宅から自転車で友達の家に向かって、友達の家から自宅に帰る、というもの
その際、友達の家に着くまでどれくらいの時間がかかるか予想してもらった

結果、友達の家に行くまでにかかる時間を短く予想していた人ほど、帰りにかかる時間を短く感じていた
また、友達の家に行くまでにかかる時間を長く予想していた人は、リターントリップ効果が起きていなかった
(ついでに、リターントリップ効果は実際に体験しなくても、映像を見るだけで起きることが判明した)

つまり、行きにかかる時間を短く予想すると、実際にかかった時間との間に大きな開きができる
この開きによって、行きは時間が長く感じる
そのため、行きの時間を長く予想すると、予想と実際にかかった時間に開きがなくなり、長く感じることはない

要するに、時間の見積もりが下手な人ほど、リターントリップ効果が起きやすい
何度も経験して、情報を蓄積して見積もりがうまい人には起こらないかもしれない

研究者は、リターントリップ効果は日常でも起きると述べている
たとえば映画である
映画は1回目よりも2回目のほうが時間を短く感じる

楽しいことを長く感じたいのなら、予想を甘くすればいいのかもしれない
逆に、つらいことは予想を長くすることで、長く感じなくなるかもしれない

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参考文献
The return trip effect: Why the return trip often seems to take less time
https://link.springer.com/article/10.3758/s13423-011-0150-5

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