見出し画像

保育園看護師として最も重要なスキルは「コミュニケーションスキル」なのでは?という話

こんにちは。現役保育園看護師のチロです!

今回は、保育園看護師として最も重要だと思っている「コミュニケーションスキル」について紹介します。あくまで個人的な意見ではありますが、日ごろから自分が一番意識していることでもあり、保育園で働く保育園看護師だからこそ必要だと思うスキルです。

どうしてコミュニケーションスキルが保育園看護師に重要なスキルなのかについて、解説していきます。後半にはコミュニケーションスキルを獲得するために僕が実際に日々意識していることや、保育士あるいは保護者の方が保育園看護師を上手く活用するために実践していただきことをまとめていますので、是非最後まで読んでください!

なぜコミュニケーションスキルが重要なのか

「そもそもコミュニケーションスキルは社会人全員に重要でしょうよ。」という声もちらほら聞こえてきそうです。しかし、保育園看護師に必要なコミュニケーションスキルと、社会一般に必要とされているコミュニケーションスキルとは、少しニュアンスが異なると思っています。また、いわゆる病棟勤務の看護師に必要なコミュニケーションスキルとも違います。

コミュニケーションスキルの質が一般的な社会人とも病棟勤務の看護師とも異なるからこそ、保育園看護師にとってはコミュニケーションスキルが重要となるのです。

一般的なコミュニケーションスキルと異なる点について

一般的なコミュニケーションスキルと異なる点は3つあります。

  1. コミュニケーションする相手の『対象年齢が幅広い』

  2. 基本的に『健康な人を相手にしている

  3. 保育園看護師は多くの場合、各園に一人だけの『一人職場である

一つ目の点については一般的な社会人と異なる点です。一般的な社会人がコミュニケーションをとる相手の多くは大人です。更にもう少し絞るのならば、概ね20代後半〜50代後半ぐらいまでではないでしょうか。もちろん、職種によって様々ではありますが、一般的な社会人が主体的に0歳児とコミュニケーションをとる機会は自分の子育て以外ではあまり多くないように思います。

しかし、保育園看護師の対象となるのは0歳から6歳までの乳幼児です。一緒に働く職員は、バイトの学生さん(10代)からパートの奥さん(60代)まで幅広い年代の方がいます。さらに、日々の送迎は祖父/祖母(6〜70代)が担当しているというご家庭も少なくありません。そういう意味では保育園看護師に必要なコミュニケーションスキルは『対象年齢が幅広い』ことが重要なのです。

二つ目の点については病棟勤務の看護師と異なる点です。看護師の多くは病院で働いています。病院という場所は、大なり小なりケガや病気を治すために行くところです。現場の看護師は、失われつつある患者さんの健康を取り戻すために日々頑張っています。

しかし、保育園に通っているお子さんも、働いている職員も、基本的には健康です。病気の場合はお休みいただきます。なので、日々のコミュニケーションは『健康な人を相手にする』ことになります。

三つ目の点についてですが、そもそも保育園看護師は保育園に一人しかいないことが多いです。病棟勤務の看護師であれば、同僚は看護師や医者といった医療従事者とのコミュニケーションが中心になります。しかし保育園における医療従事者は基本的に保育園看護師一人だけであり、他の同僚は医療分野とは別の専門性を持った職種とのやり取りになります。だからこそ、医療用語等の専門用語をわかりやすい単語にして非医療職の同僚にも伝わるようなコミュニケーションをする必要があります。

ここまでをまとめると、一般的な社会人や病棟勤務の看護師とは異なり、保育園看護師は日常的に『幅広い年代の/健康な人とコミュニケーション』をとる必要があるのです。

園児、保育士、保護者にどう伝えるか

幅広い相手と仕事をする必要があるということは、コミュニケーションの幅も広くする必要があるということです。話す相手の年齢や発達、職種や経験によって、伝える内容は同じだとしても、伝え方や見せ方は変える必要があります。

さらに、保育園看護師は保育園で唯一の医療従事者です。体調不良やケガに対して、専門性を発揮することが求められています。

保育士や保護者に対して、病棟のように医療用語をそのまま使っても何も伝わりません。看護師としての専門性を発揮しつつも、相手に伝わるような一般的な表現に言い換える作業が必要になります。理解してもらわないことには、先に進めません。

園児への健康教育も同様です。どう伝えたら手を洗う理由を園児に納得してもらえるのか、毎回正しく手を洗うようになるのか、そんなことを日々考えながらやってます。

保育園看護師に対してのコミュニケーション

ここまで「保育園看護師が他の人にコミュニケーションをする時のポイント」をまとめてきましたが、最後に「保育園看護師に対してコミュニケーションをする時のポイント」を紹介します。

まず、保育士の皆さまは「保育」という専門領域において「保育園看護師をどう使えるか」という視点で保育園看護師とコミュニケーションをしてもらえると良いと思います。

例えば、食育を計画するときには栄養士や調理師と一緒にやることが多いです。しかし、「手を洗う」「トイレに行く」のような保健衛生に関する領域は、保育の中だけで展開されるケースも多いように思います。保健衛生の領域で保育園看護師の専門性を絡めることができると、子どもたちにとっても保育士にとってもより良い環境になるのではないかと思います。

また、保護者の皆さまは保育園看護師に気兼ねなく話しかけてほしいです!
特に健康面での「悩みというほどではないが、気になるな」ぐらいの話でも保育園看護師に共有してもらうと、保育の視点だけでは気付けない、看護の視点で何か気が付くことがあるかもしれないです。

まとめ

今回の話で伝えたかったことを総括すると、保育園看護師のコミュニケーションスキルにおいては、コミュニケーションの引き出しの多さが大事ということです。伝える相手の理解度も人それぞれである以上、通り一遍な伝え方ではなく、この人にはこう、あの人にはこう、と言葉を選び、伝え方を工夫して、理解を促し実践してもらって初めて効果があるのです。伝わらなければ、何もしていないことと結果的には同じになってしまう。そこが、保育園看護師の難しさであり、醍醐味、やりがいでもあると思っています。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

仕事のコツ

with 日本経済新聞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?