「い」抜くか、「ら」抜くか、それが問題だ。
たとえば僕は、女性が「~だけれど」という表現をするのが何とも言えず好きだったりする。
「だけど」、ではなく、「だけれど」。
そんなものだから、二次創作小説を嗜む存在としてはついつい、好きな女性キャラにも「~だけれど」と言わせたくなってしまう。
しかし残念なことに、原作のセリフで「~だけれど」と言っているキャラは少ない。
そんななかで強引に「~だけれど」を使わせると、途端に、そのキャラ「らしさ」が失われてしまうような気がしてしまう。
この感覚に気づいてから、僕は安易に「~だけれど」を言わせられなくなってしまった。
……そもそも、セリフは通常、口語なのだから、口語表現である「だけど」のほうが適切なのかも知れない「けれど」。
*
「い」抜き言葉と、「ら」抜き言葉。
これらは、日本語を操る人種たちの間では長い間タブー視され、逆にやらかすと、鬼の首をとったように指弾されてしまう、そんな存在のように日々感じている。
とくにWordなんかで文章を打つと顕著。
即座に色線を引いて教えてくれる機能のおかげで、気づいた時には、ディスプレイが赤と青の線虫だらけ。実に目障りである。
……”ありがた迷惑”って単語を辞書登録して進ぜよう。
”あ”、って入れるだけで一発変換だ。
便利だね!!
よっしゃぁ!!!
……いかん脱線した。
閑話休題。
僕自身も、テレビや雑誌などで「い」抜き「ら」抜き言葉を見かけると、
「はいはい”食べられる”、ね」
「”してます”? ”しています”じゃなくてか?」
などと、実にウザってぇ事を考えてしまうしツッコミたくなる。
……字面に起こすと本当にウザったく感じるなぁ。
ああ、嫌だいやだ。
しかし現実問題として、原作で「い」抜き「ら」抜きでセリフを語られることは本当に多い。
二次創作の鉄則は、”原作を破壊しない”ことにあると、僕は思っている。
思ってしまっているので、原作で「い」抜き「ら」抜きをやられると、僕はそれに従い、「い」抜き「ら」抜きの言葉を紡がざるをえないわけで。
そしたらやはり、日本語というものに精通しきった”先生方”が、黙ってはいないわけでして。
……ああ、嫌だいやだ。
「い」抜くか、「ら」抜くか、それが問題だ。
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