尾嶋繁

私は、経営コンサルタント及び大学の研究員として、業務改善・改革に関するコンサルティング…

尾嶋繁

私は、経営コンサルタント及び大学の研究員として、業務改善・改革に関するコンサルティングや研修に携わってきました。この経験を通し特に重きを置いたテーマは、パーパス(目的:意図、目標、ゴール、存在価値)です。 まずは、パーパスに関することから中心に投稿します。参考になれば幸いです。

最近の記事

パーパス経営における「パーパス」とジョブ理論における「ジョブ」の類似性

今回は、パーパス経営における「パーパス」とジョブ理論における「ジョブ」の類似性について考えます。  「パーパス」と類似するものにジョブ理論(クレイトン・M・クリステンセン教授ほか)における「ジョブ」があります。  ここで言う「ジョブ」とは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追及する進歩と定義されています。  ジョブ理論では、顧客はある特定の商品を購入するのではなく、進歩するために、それらを生活に引き入れる。この進歩のことを、顧客が片付けるべき「ジョブ」と呼び、ジョブを解決

    • 上位のパーパスを意識せよ‼

       先の投稿では、パーパスの法則である「上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐する」について一般的なニュースソースで確認しました。今回は、上位のパーパスを意識することの重要性について確認します。  取り上げるパーパス展開例は、体調を崩した人を治療する病院のパーパスです。(ここでは怪我をした人を治療する病院などの機能は除きます。) 体調を崩した(体調がすぐれない)人を治療する病院のパーパス展開のイメージが以下のようになったと仮定します。  この展開では、  何らかの病気

      • パーパス・ステートメントの伝わり方を生成AIに聞いたら・・・

         今回は、公開されたパーパス・ステートメントが、作成に携わった人以外の人へどのように伝わるか、生成AIを活用して確認します。 生成AIで確認する項目(プロンプト)は、以下の内容とします。 【基本的な項目】  ①このパーパス・ステートメントが伝えたい事  ②このパーパスの貢献対象は誰か  ③このパーパスは貢献対象がどのような姿になることに貢献するのか  ④このステートメントから推測できる貢献対象の現状は  ⑤この組織はパーパス達成のために何をしようとしているのか 【評価・改善点

        • 上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐する。

           10年以上前の記事がベースですが、「上位のパーパスは下位のパーパスを駆逐する」という法則が何となく分かって頂ける記事だと思いますので、敢えて投稿します。  アブダビ原発の発注失敗という記事で、日本は韓国に敗れるという内容です。  ポイントは、“日本はアブダビに対し原子力発電所プラントを売り込んだが、韓国は60年間の安定的な電気を供給するということを提案した。”というものです。  記事では、韓国の李明博大統領のトップセールスを取り上げています。当時は、日本の「トップセール

        パーパス経営における「パーパス」とジョブ理論における「ジョブ」の類似性

          パーパスの策定について:「組織の存在意義を見つける3つのステップ」

          今回は、「パーパスの策定」におけるポイントについてです。 1.きっかけとなるパーパスの検討 2.きっかけとなるパーパスの上下にあるパーパスの探求 3.目標とするパーパスを設定する 1.きっかけとなるパーパスの検討 きっかけとなるパーパスを探す切り口は、パーパス・モデルから主に3つあることが分かります。 ➢組織の思いからパーパスを直接問う  組織の思いは誰のためにあるのか  組織が貢献しようとする対象に対して、どのようになって欲しいのか?  組織は誰(人

          パーパスの策定について:「組織の存在意義を見つける3つのステップ」

          パーパスの性質について

          今回は、パーパスの性質について確認します。 一般的にパーパス(purpose)は、意図・目標・趣旨などと訳され、   ➢何か(もの)が存在する理由、   ➢何かを行うことの意味(ある行動をとる理由) を表す言葉として用いられています。  そのものが意識するかどうかは関係なく、あらゆるものや行動に対してパーパスがあるということです。つまり、鉱物にも、植物にも、昆虫にもパーパスを見出すことができるということです。  そこで、人はなぜ存在するのかというように、一般的な目的(pur

          パーパスの性質について

          パーパス経営における「パーパス・ステートメント」について

          今回は、パーパス・ステートメントについてです。 パーパス経営のポイントはいろいろありますが、「組織内外に組織の意図を伝えること」は最も大切なことです。そのために、パーパス・ステートメントがあります。今回は、パーパス・ステートメントについて、以下の項目を確認します。 【目次】  1.パーパス・ステートメントとは  2.パーパス・ステートメントの役割  3.パーパス・ステートメントの要件  4.パーパス・ステートメントの構成要素  5.パーパスの基本モデルとパーパス・ステート

          パーパス経営における「パーパス・ステートメント」について

          今、注目される「パーパス経営」について

          今回のテーマは、注目度が上がっている「パーパス経営」です。 まず、パーパス経営の定義を確認します。 次に、なぜパーパス経営が注目されてきたのかについて確認します。 1.パーパス経営の定義 パーパス経営の定義には、様々なものがあります。例えば、 ・自社の存在意義を基軸に経営を行うこと ・企業の経営理念として自社の存在意義を明確にしてどのように貢献していくのかという「パーパス」を掲げること などなど。  そこで今回は、以下のように定義します。 「パーパス経営」は、  ➢組織の

          今、注目される「パーパス経営」について