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パーパス経営における「パーパス」とジョブ理論における「ジョブ」の類似性

今回は、パーパス経営における「パーパス」とジョブ理論における「ジョブ」の類似性について考えます。

 「パーパス」と類似するものにジョブ理論(クレイトン・M・クリステンセン教授ほか)における「ジョブ」があります。
 ここで言う「ジョブ」とは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追及する進歩と定義されています。

 ジョブ理論では、顧客はある特定の商品を購入するのではなく、進歩するために、それらを生活に引き入れる。この進歩のことを、顧客が片付けるべき「ジョブ」と呼び、ジョブを解決するために顧客は商品を「雇用」するという比喩表現を用いています。

 ジョブの説明で使われる例に、ミルクシェイクのジレンマの章で述べられている「ミルクシェイクのジョブ」があります。(下図参照)
ここでは、ミルクシェイクを雇用することで、追求する進歩(片付けるべきジョブ)は何かを見極めることで、ミルクシェイク事業の存在価値を見出そうとするものです。

この例で分かる通り、「片付けるべきジョブ = パーパス」ということです。

図1 パーパスとジョブの関係

 敢えて、違いを述べるとすれば。適用対象の違いといえます。パーパス経営のパーパスは、主に組織体の存在価値を問うのに対し、ジョブ理論のジョブは、商品やサービスといった単位の存在価値に焦点が当たっているということでしょう。 
 
 しかし、突き詰めて行けば、商品やサービスは(組織)体を表すように、同じ領域で存在価値を検討していることが分かります。つまり、商品やサービスのジョブからパーパスを上方に展開していくと、組織体のパーパスに近づいていくということです。

 このジョブ理論におけるジョブを探索するアプローチは、パーパス策定の3つのパターンの中の「組織の現状の働きかけからパーパスを問う」というアプローチに応用できることが分かります。

以上です。

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