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絶対に聴いて欲しい67年と69年のガチプレイリストを作った。

全アルバムレビューなんて毎週できるわけねえだろうがと思いつつ、普通のことはしたくないので今回は初の試み、プレイリスト公開とその解説的なことをしてみたい。
AppleMusicで作成したので、Spotifyの方々には是非諦めて頂きたい(˶'ᵕ'˶ )‪ホントワキイテホシイナ

さて、ロックが爆発したのは1969年と何度も吹聴しているが、その前夜に混沌と色々湧き出てきたのが1967年だと思っている。

↓69年についてはこちらに。

だがしかし今日したいのはこういうつらつら文字で書き殴るんじゃなくて、プレイリストで、あなたの耳で、この二つの年の異常さを味わって欲しいのだ。


まずは1967年。

この時代のロックたちとこのプレイリストに銘打つとすれば、やはりChaosだった。
完成してきたロックの型をぶち破ろうとする者が現れ、その型をより洗練させていこうとする者がいた。ビートルズが時代を変えた時、同時多発的に、時代を変えたロックがあちこちで誕生した。
サイケデリックなサウンドとやらも見い出せるだろうが、私はサイケとは結局、姿勢の名前だと思っている。

1967年が詰まった67分間はあなたを混乱させ、興奮させ、悟らせるだろう。
擬似サマーオブラブというには暗部が丸見え過ぎで、病んでいるかと聞かれればそれはわからない。

ただ、そのサイケデリックという病原菌の持っていた可能性が無限大であるということは誰にでもわかってもらえるはずだ。
故にマニアの方々にとっては俗な選曲になってしまっているだろうが、改めて通して聴いて欲しい凄みがある。

特にこのプレイリストで気に入っているポイントを挙げよう。

まずはおよそ前半、中盤、後半とグラデーションに色が分かれていることだ。
前半はサージェント・ペパーズから始まる所謂サイケっぽいサイケに満ちている。
特に主張したい聴きどころはドアーズが文字通りブレイク・オン・スルーする所、あの文脈で聴くペニー・レインのキモさ、ジミヘンの異質さか。

中盤では短めの曲たちが並び、こんな時代に突入してしまう前から存在したバンドたちの解答を見ていく時間になっている。インプロヴィゼーション(アドリブ)らしい部分がないコンパクトな67年はポップスとしてもヤバい到達点に至っているのだ。

後半の楽曲群は芸術志向と呼んでいいだろうか。オーケストラを交えた作品や大作はロックのこれからを予見させるようでもあり、それまでの総決算のようでもある。

そしてサージェント・ペパーズのアルバム構成を借りて幕を閉じる。
フェードアウトで終わるアルバムが好きではないし、ア・デイ・イン・ザ・ライフで終わるのはやはり正解だったと思う。ビートルズが始めた物語はビートルズに締めくくって欲しかった。

全ての曲間を意識しているし、複雑なこの時代をかなり概観できる。
よくぞこれを綺麗に67分にまとめたと自分で感心し、自分のアルバム脳には引く。
もちろん通して聴いて。

Chaos 67' 楽曲一覧

1.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band/The Beatles
2.Break On Through/The Doors
3.Lucy in the Sky with Diamonds/The Beatles
4.Bike/Pink Floyd
5.Penny Lane/The Beatles
6.Purple Haze/The Jimi Hendrix Experience
7.Sunday Morning/The Velvet Underground
8.A House Is Not a Motel/Love
9.Tales of Brave Ulysses/Cream
10.Whatcha Gonna Do About It/Small Faces
11.Daydream Believer/The Monkeys
12.David Watts/The Kinks
13.Heinz Baked Beans/The Who
14.I Can See For Miles/The Who
15.The Morning: Another Morning/Moody Blues
16.Expecting to Fly/Buffalo Springfield
17.Little Wing/The Jimi Hendrix Experience
18.When the Music's Over/The Doors
19.Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)/The Beatles
20.A Day In The Life/The Beatles

基本的には1アルバムから1曲って感じだが、このプレイリストではフーとビートルズで破っちゃっておる…まあ勘弁してもらえそうな使い方なので……ゆるちてくだちい…。
69年の方ではキッチリそこ守ったので。



そして大大大好きな1969年。

サイケという革命を経て、そのレッテルさえ破り捨て、いよいよ進化したロックが花開くこの年は、ほかのどの年よりもイカれていたのではないだろうか。
もう2年前のように愛と平和を手放しに叫ぶなんてことはしない。かといって戦争批判は絶対にやめない。こういったスピリットが音楽だったりメッセージに多様な攻撃性を持たせている。
ある者はクールに、ある者は荒々しく、またある者はそれを壮大に表現した。
野蛮で構わないのに崇高な芸術でありたい。
最高に滅茶苦茶で、カッコよくて、再現不可能だ。

狂った輝きを放つ1969年をこちらも69分間にまとめた。よくやるよほんと。

これ以上詳しいことは私の書いた1969年のnoteにアルバムやバンド単位でしっかり書いてあるのでこういうのはこのへんにしといて。

プレイリストの聴きどころへ参ろう。

このプレイリストは曲間の繋ぎを67年とは違ってスムーズに聴こえるように作った。カオスよりもその熱狂を純粋に楽しんで欲しいからだ。

まずはルーツ的かつ革新的であったこの年を、文字通り象徴するストゥージスの1969に火蓋を切ってもらった。ジョン・ケイルミックス版の方が迫力があって私は好きだし、黎明パンクとくくれない短い狂気はオープニングに相応しい。
そしてよりルーツ的なストーンズは69年に流れるアフターサイケな新時代感をギミー・シェルターで担う。
そこからCCRにカントリー経由でハードに接続してからのレッド・ツェッペリンの登場は衝撃的というより、納得のいく進化と同時代のバンドと比べて、その表現の早さを感じて貰えると思う。
その後はインプロヴィゼーションが長く、音数の多い大作を2曲通り、シンプルに立ち返ったビートルズがカム・トゥゲザーで優しく迎えてくれる。
ここからは短くて個性的な楽曲にウキウキする時間。ロックの衝動性がしっかり受け継がれていることに安心と興奮を覚える。
しかしそこにハモンドオルガンの音が緊張感を走らせる。ディープ・パープルによる超本格的クラシックなプログレ、Aprilだ。
ここで終わる予定だったが私はフェードアウトで終わるアルバムが(ry
終幕は、この時代に隆盛を極めたロックをいずれ皆殺しにする、パンクの萌芽をMC5がチラつかせて終わらせるようにした。
冒頭のストゥージスの伏線を回収するようでもあり、気持ちが良い。

Crazy 69' 楽曲一覧

1.1969/The Stooges
3.Commotion/Creedence Clearwater Revival
4.Moby Dick/Led Zeppelin
5.Good Times Bad Times/Led Zeppelin
6.Willie The Pimp/Frank Zappa
7.21st Century Schizoid Man/King Crimson
8.Come Together/The Beatles
9.Barabajagal/Donovan&The Jeff Beck Group
10.Candy Says/The Velvet Underground
11.Pinball Wizard/The Who
12.Brainwashed/The Kinks
13.Runnin' Blue/The Doors
14.April/Deep Purple
15.Kick Out the Jams/MC5

とにかくめちゃくちゃ聴きやすい。有名ながらも玄人向けな楽曲が入っているが、興味深く聴けて、この時代に何が起ころうとしていたのかがだんだん見えてくる。どんどん深淵に沈み込むイメージかも。
そして長い曲たちを短い曲でサンドイッチできており、飽きにくく仕上がっている。
ラストのMC5だけライブ音源なのも、言語化できないエンディング感がある。
突然切れてしまうのも切ない。黄金期はそう続くもんじゃあない。



そしてこれらのジャケットにはどちらも自分の写真を使っているが、何かそれぞれの時代、それぞれのプレイリストの温度感を見事に表している気がする。
私は自分でプレイリストを作った時のジャケットの画像は基本的に拾って来ずに、自分が持っている自分の写真を使う縛りを設けている。

多少縛られなきゃ我々は自由を実感できん。

ロックだって、ロックじゃなくたってそうだった。

以上、ナルシストによる自画自賛のあイタタタイムでした。

改めて、

※何も言わずに内容をコロコロ変える可能性があります。AppleMusicの方はプレイリストごと追加することをオススメします。

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