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詩「故郷にて」

銀山だったそこは我がふるさと
生気と野心に満ち溢れていた頃に私は居た
古き良き歴史が脈々と受け継がれている
少し過疎化はされているがそれはご愛嬌
夜はなおさら川のせせらぎ音が響く

人の温もりは相変わらず 
逆に喧しいほどのしつこさがあった
今夜は落ち着いた人々が酒を酌み交わす 
「仕事はどうだ?」「お互い年を取ったな」
こんな会話も お互い川魚をつつきながら笑い合えばたいそう盛り上がる

次故郷を見るのはいつかな
ふと我に返るように思った
ややもすると子供達が成人している頃かもしれない

その刹那誰かと目が合った
「じゃあまた来年も」
本音とも冗談ともつかない一言を私は発した
単に酒に酔った勢いだったのか
口をついた途端私は急に頬を赤らめた
勢いのせいにしてしまったことをひどく嘆いたのだった

【了】

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