花瀬あす

短い小説、文章

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電車に乗ってくる人スケッチ(文字版)

電車に乗ってきた人をスケッチする絵の練習方法をしている人がいたので、文字でやってみた時の記録を残します。 具体的な名称は・・・で伏せてあります。 ・・・にてストライプ柄の上下スーツを着たサラリーマン。肩からかけるタイプの少し古びた鞄を持っている。電車から足早に降りていった。 女性。緑のシャツに薄い水色のジーンズを着て、足には白とピンクのスニーカを履いている。靴下は短いピンクで、肌の色と同化している。スマホを右手でいじりながら、左腕がもう片方の腕を支えている。 ほぼ全ての

    • 警告夢

       いつの間にやら、畳の部屋に佇んでいて、目の前には年に1、2回程度顔を合わせる親戚の子供が笑みを浮かべてこちらを見ていた。私は空中を走る線路のないジェットコースターに乗っていて、ビルが密集した街を見渡せるほど高い場所で、青空の中を爆速で走り回っていた。私は高所恐怖症であったはずなのに、恐怖は感じず、自分が乗っている機械が行く末を見守っていた。やがてジェットコースターは空中にある暗いブラックホールのような穴を抜け、赤黒い空と地面の場所を走っていた。ここは地獄であると私は分かった

      • 凶夢

         友達からテレビに出るから、その番組を見てほしいと頼まれた。どういう理由で出演することになったのかはわからないけど、知人が出るのはすごいことだと、久々にテレビをつけた。こたつに入り、頭を机の上にのせてぼーっと眺めていると、友人は番組に出演するのではなく、番組を制作した側だった。ゲストを呼んで楽しそうにおしゃべりしている。その画だけが目に入って、内容は右から左へ流れていった。そのうち、家のチャイムが鳴り、狐目の知り合いの男が現れた。 「あなたも番組に連れて来いって頼まれたんです

      電車に乗ってくる人スケッチ(文字版)