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新聞|湊かなえ「C線上のアリア」第15回掲載分より

人生におけるあらゆる問題すべてに真正面から立ち向かえる人など、どれほどにいるのだろう。

2024/4/16朝日新聞朝刊「C線上のアリア」

朝刊小説をちゃんと読むのは数年ぶりなんだけれども、ほんの小さなスペースにこんなにも核心をついた言葉を込めてくるから、1日の始まりが湊さんの言葉で頭いっぱいになってしまう。

役場から呼ばれ、弥生さんの住むゴミ屋敷を訪れた美佐。かつて一緒に暮らしていた認知症の女性を前に、美佐の心の声はいかにも現代を生きる女性らしく冷静で現実的だ。この女性が、一体どんなミステリーに巻き込まれていくのだろうか。過去と今とを行き来する弥生さんと美佐の交わす言葉が静かで穏やかで優しくて、物語の進んでいく先が気になってしょうがない。


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