有触多聞

有るものに触れ、多くを聞く、そんな私は”ありふれたもん”。 大学院でただいま映画を専攻…

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有るものに触れ、多くを聞く、そんな私は”ありふれたもん”。 大学院でただいま映画を専攻中。 古い映画や、小説、音楽などのおはなしが大好きです。宜しくお願いします。

最近の記事

カリフォルニア・ドールズ(1981)

さて、面白い映画の話を。 今回紹介したいと思ったのは、ロバート・アルドリッチ(1918〜1983)の遺作となった『カリフォルニア・ドールズ』です。 〜あらすじ〜 美女レスラータッグ「カリフォルニアドールズ」には、どうも何かが足りていない様子。マネージャー(ピーター・フォーク、コロンボ警部でお馴染みですね)は叱咤激励しつつ、彼女たちを次々試合へと引きずり出す。 そんな折、最強と名高い「トレドタイガース」と戦うことに。初戦は勝利を収めるも、二戦目には敗北を喫する。リベンジを果た

    • 名作映画紹介『あげまん』(1990)

      久しぶりの投稿になりました。 就職活動がひと段落したので、映画の研究やこうした執筆にも本格的に戻ることができました。本日紹介するのは、今なお伝説として語り継がれる名監督である伊丹十三(1933〜1997)監督作品『あげまん』です。 〜物語のあらすじ〜 「あんたは、あげまん(男の運勢をあげる女性)やからね」 亡き夫の母から言われた言葉を胸に、今日も頑張る元芸者のナヨコ(演:宮本信子)。もう男とは縁がないと思っていたが、ひょんなことから銀行員の鈴木(演:津川雅彦)と知り合う。次

      • 名作映画紹介『姑獲鳥の夏』(2005)

        お久しぶりです。私の記事をお読みになってくださっている方々、フォローしてくださっている方々、いつもありがとうございます。noteにも慣れ、そろそろ映画紹介だけの記事を書き続けるのもどうかと思いだしたので、フォロワーさんが50人を突破致しましたら、新企画を取り上げようと考えています。どうかお楽しみに! さて、今日紹介するのは、私の研究対象である実相寺昭雄監督(1937〜2006)の晩年の作品、『姑獲鳥(うぶめ)の夏』です。原作はかの有名な推理作家である京極夏彦(1963〜)の

        • 名作映画紹介『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)

          今回紹介するのは往年の名作に数えられる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』です。監督はセルジオ・レオーネ、代表作には『荒野の用心棒』(1964)や『夕陽のガンマン』(1965)といったマカロニ・ウエスタンを代表する作品が揃っています(これが遺作となりました)。主演はロバート・デ・ニーロ。企画から制作まで10年以上を費やし、上映時間も3時間を優に超える超大作ですが、その時間にふさわしいと言い切れる、美しい映画であります。 あらすじ 物語は3人の死体から始まる。名前は

        カリフォルニア・ドールズ(1981)

          名作映画紹介『ル・ミリオン』(1931)

          今日は比較的元気なので2本投稿。ご紹介するのは、トーキー時代の傑作のひとつ、『ル・ミリオン』です。監督はフランス古典の4巨匠のひとりに数えられる、ルネ・クレール(1898〜1981)です。他の代表作には『パリの屋根の下』(1930)や『リラの門』(1957)が挙げられます。(どれも古いですが、面白いです!) 〜あらすじ〜 貧しく借金まみれ画家の(ミシェル(ルネ・ルフェーブル)は宝くじで一等を引き当てた!はずであったが、その引換券がどうしても見当たらない。ぼろ上着のポケットに

          名作映画紹介『ル・ミリオン』(1931)

          名作映画紹介『ソフィーの選択』(1982)

          最近学業や諸々の就活で忙しく、投稿ができておりませんでした。 久しぶりの投稿です。今回取り上げるのは『ソフィーの選択』。主演は天才女優メリル・ストリープ。『プラダを着た悪魔』(2006)の印象が皆様お強いと思います。 この作品は、映画を観た後の心の抉りが凄まじい作品となっております。 あらすじを書きますと… 作家志望であったスティンゴ(ピーター・マクニコル)は、ブルックリンのアパートで一人暮らしを始める。そのとき、偶然同じアパートに住んでいた美しい女性ソフィー(メリル・ス

          名作映画紹介『ソフィーの選択』(1982)

          名作映画『リオ・ブラボー』(1959)

          今回、取り上げるのは、アメリカ映画の巨匠、ハワード・ホークス(1896〜1977)監督の『リオ・ブラボー』です。 この作品は、私にとって大変思い入れの深い作品でありまして…というのも、今は亡き映画好き(シネフィル、と言いたくは無い)だった祖父と、最後に一緒に観た映画だからです。 主演を務めるのは、西部劇のセットが映えに映える!ジョン・ウェイン(1907〜1979)。ホークスとのコンビで思い出せるのは『ハタリ!』(1962)ですが、この映画でも、見事な演技を見せています。

          名作映画『リオ・ブラボー』(1959)

          名作映画『キサラギ』(2007)

          今回は少し趣向を変えて、最近の邦画を挙げてみましょう。 現在、大河ドラマ『どうする家康』を中心に、大活躍中の脚本家である古沢良太の作品。キャストは、小栗旬、香川照之、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅(ドランクドラゴン)。このメンツを見るだけでも、相当期待値が上がりませんか? 物語のあらすじ 2月4日、まっっったく売れないアイドル、如月ミキが、謎の自殺を遂げてしまいます。その一周忌に、彼女を愛してやまない5人のファンたちは追悼会を開催しました。皆、思い思いにミキちゃ

          名作映画『キサラギ』(2007)

          名作映画『小さな兵隊』(1963)

          今回取り上げるのは、昨年亡くなったばかりの映画界の巨匠、ジャン=リュック・ゴダール(1930〜2022)の初期のモノクロ作品である『小さな兵隊』です。 この作品はどう言った意味で重要なのか?それは、彼の「ミューズ(女神)」として活躍した、名女優アンナ・カリーナ(1940〜2019)を主演女優に据えた、初の映画であるということです。相も変わらず、アンナはとっても可愛らしく、男を振り回す小悪魔ぶりを遺憾なく発揮。「恋をしたことがない」と豪語していた主人公を、あっという間に虜にし

          名作映画『小さな兵隊』(1963)

          名作映画『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』(1984)

          今回も面白い映画の紹介を。アニメ界にとっては「聖典」のひとつとなりつつある、押井守監督『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー(以下ビューティフルドリーマー)』です。 現在『うる星やつら』がリメイクされ、絶賛放送中でございます。それで「ラムちゃん」「あたる君」といったキャラクターをお知りになった方も何人かいらっしゃるかと思います。この映画は、キャラ名をちょっと知ってるぐらいの知識で、どっぷりと世界観に浸かることができる作品です。 みなさん、誰しも思ったことはありませんか

          名作映画『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』(1984)

          名作映画『絹の靴下』(1957)

          面白い映画の紹介です!今回取り上げるのはミュージカル映画『絹の靴下』。 主演はアメリカが生んだ名ダンサーのひとり、フレッド・アステア(1899〜1987)と、歌って踊れる絶世の美女、シド・チャリシー(1922〜2008)。60歳近くで恋愛は無理であると、アステアは最初渋い顔をしていたそうですが、盟友チャリシーが相手役であるとして了承(過去に二度共演)。素晴らしい映画が出来上がりました。 物語の基盤となっているのは、エルンスト・ルビッチ監督の手がけた『ニノチカ(1939)』

          名作映画『絹の靴下』(1957)

          実相寺昭雄

          さて、自己紹介にて「映画を専攻している」と書きました。 では、具体的に、いま何を主に研究しているのかというと… ずばり!タイトルにもあります通り、実相寺昭雄(じっそうじあきお)という映画監督です。 特撮がお好きな方は、この名前にピン!と来られるかもしれません。 というのも、シン・ゴジラ(2016)やシン・ウルトラマン(2022)といった映画の「祖」を作り上げた人物であるからです! ごく簡単なプロフィール 実相寺昭雄(1937〜2006) 東京府東京市四谷区に生まれ、中国

          実相寺昭雄

          自己紹介

          ご自由にお書きください…か。少し緊張しますね。 先日、ぼくの親しい友人から、「noteってやつ、やってみれば?」と声をかけられ、このサイトを知りました。 はじめまして、「有触多聞(ありふれたもん)」と申します。 有るものに触れ、多くを聞く、そんな私は”ありふれたもん”であると思い、このペンネームを考えました。 普段は大学院に通い、映画を専攻しています。まだまだ勉強不足ですが、日々研究に勤しんでおります。 映画のみならず、小説(特に昭和)や音楽(吹奏楽、クラシックやジャズ等)、

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