名作映画紹介『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)

今回紹介するのは往年の名作に数えられる『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』です。監督はセルジオ・レオーネ、代表作には『荒野の用心棒』(1964)や『夕陽のガンマン』(1965)といったマカロニ・ウエスタンを代表する作品が揃っています(これが遺作となりました)。主演はロバート・デ・ニーロ。企画から制作まで10年以上を費やし、上映時間も3時間を優に超える超大作ですが、その時間にふさわしいと言い切れる、美しい映画であります。

あらすじ
物語は3人の死体から始まる。名前はコックアイ、パッチィー、マックス。裏切りの電話をしたのは…ヌードルス(ロバート・デニーロ)。狙われている彼はこの町から逃げ出す。

そこから35年後…彼は街に戻ってきた。どうして?見覚えのないパーティに招待されたのである…。彼は今は亡き彼らとの出会いの頃を昔を思い出す。

禁酒法が渦巻くニューヨーク。コックアイ、パッチィー、ヌードルスは、街の不良であるマックス(ジェームズ・ウッズ)と知り合う。二人は友情を深め、仲間も増えていくが、とある大物組織に睨まれ、最年少であったドミニクが撃たれてしまう。その報復にヌードルスは仇を殺害。彼らは警察に連れて行かれ、出所後に仲間たちと再会することを約束した。

6年後…再会を果たした彼らに、変わりきった社会が襲いかかる。禁酒法が終焉を迎えていたのである…。

とんでも無く長い映画なので、あらすじはここまでとさせていただきます。とにかく、回想によって時空が飛ぶので、説明が難しい。愛、友情、死。「接吻(キスキス)と銃(バンバン)」で映画は作れる、とはよく言ったものですが、あまりにも洗練された画に、我々は感心せざるを得ません。ロバート・デ・ニーロの演技にも拍手。彼の最後の笑みの意味は何か…?というのは常に議論されていますが、私個人としては、「自己肯定」の笑みだったのではないかと…。怪しい煙の力も借りて、彼は必死に、自己の肯定を図っていたように見えます。

また、モリコーネの美しい音楽にも注目。ピカルディ終始を効果的に使用した、切ないメインテーマは、筆舌に尽くし難い。これは間違いなく主人公たちに捧げられた哀歌でしょう。

時間がある時など、一度はご覧になってみてください!
それでは。
https://youtu.be/LcpCRyNo8T8(予告編)
https://youtu.be/Jj5Xczethmw(メインテーマ)

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