お金がないから。だけで子どもを産まないわけじゃない

お金がないからだけで子どもを産まないわけじゃない。

お金がないから結婚しないとか、お金がないから子どもを産まないとか言うけど、子どもを産まない原因はお金だけじゃないと思ってる。

勿論、どうしても子どもが欲しいけどお金がないから養えないという人もいるだろうけど、でも長らく続いた少子化で少母化の今、そういう人が一人産んだところで少子化は解決しないでしょう。
3人も産めない。3人も子育てしたくない。ここだと思ってる。
子育てが辛いのだ。そして子育て中の女性は恐ろしく社会的地位が低い。

●子どもを産むと女性は一度人生が終わる

じゃあ子どもを産まなければいいとか、産んだのは自己責任とか、そういう事じゃない。産む前に想像していた以上に、自分の生活を犠牲にしなければ育児が出来ない。それは本当に産まないと分からない。

色々情報収集などをした就職活動の末、入社した会社。
いざ仕事をはじめてみると、思っていたものと違う。
辛い。辞めたい。人に相談する。
辞めちゃえば!
一度きりの人生なんだし、我慢する必要ないよ!
でも育児はそうはいかない。色々情報収集したり、実際に産んだ人に触れたりしていても、赤ちゃんいえど個人なのでそれぞれ大変さが違う。
当然だが、辛くても辞められない。
相談したところで、「自己責任!」「産む覚悟もないのに妊娠するな」とまで言われたりもする。
一度きりの人生なのに、産んだらこの先は我慢するしかなくなる。
ここで、「子どもを産んだら最後、辛いとか愚痴も言えない人生」のはじまりになる。
だったら、最初から産まない方がいいと思う。

●育児の愚痴は許されない世の中

育児は子どもの生命の保持であり、命に係わることなので非常に倫理的な存在であるがゆえ育児が辛いというと、「子どもの存在を否定」と同等に捉える風潮があると感じる。
実際は子どもを大切に思う気持ちや、愛していることと日々の愚痴は別物である。なのに「なら産むな」となる。
外で仕事をする方が大変なんだ。という形で。
仕事の愚痴は許されるのに、育児の愚痴は許されない。
だったら、仕事だけをしている人生のほうが良いよね。
お金ももらえるし。

●トイレも満足に行けない

働いていると時給いくら相当でお給料が発生する。
でも育児にはお給料がもらないどころか、出ていく。
それから、未就学児と生活を共にすると本当に何も出来ない。
生活の行動すべてが子どもに縛られる。
些細な事だが、トイレに行くことすらままならない。
0歳の時はトイレに連れていけない。
1歳の時はトイレに入ろうものなら後追い。
2歳の時はトイレに行くと言ったのに、便座に座った途端に「どこにいるの!?」と叫ばれ、意思疎通に難がある。
3歳の時にはトイレに行くと言ったのに、喋り続けられる。静かに集中して便を致したいのに許されない。
4歳の時には……5歳の時には………
というように、トイレすら満足に出来ない。
もしも会社でトイレに行くことを邪魔する人がいたら問題であるし、トイレすら満足に行かせてもらえないブラック企業なら、世の中が同情してくれる。あなたが悪いわけじゃない、その会社や人が悪いんだと。
でもそれが育児の上での出来事となると、「仕方ない」「そんなのわk…」
と結局こちらが批判を受けて終わりになる。
ここで要注意なのが、「トイレに行く時は静かに待っている」と躾けられない親が悪い。と翳してくる人もいることである。
子どもを産むと、自分が上手くいった経験が全ての人間(赤ちゃん)にも通用すると思ってる言葉の強い人たちが攻撃してくる。
私はそういう言葉に出くわすと、ロボットじゃないんだから同じやり方が通用するかよ、と思っている。
勿論、当たり前の躾すら出来ていない親がいるのも事実だけど、そういう人には攻撃しないし、そもそもそういう人達は気にもしていない事のほうが多い。
気にして、真面目に生きている人間には育児は本当に辛い。


私は会社勤めをして、結婚して子どもを産んだ。
育児がこんなに辛いと思わなかったし、正直産まなければ良かったと思ってる。
このまま会社勤めをしていたら、人からも社会からも褒められ、お金ももらえて、時間も自由に使える。
子どもを産んだ後の未来が分かっていたら産まない。
でも、実際に生まれた子どもはなんだかんだ愛しい。
私は普段、子どもに関わる仕事をしている。
だからこそ、外にいる時は我が子はどうしているかと気になり、帰宅して顔を合わせれば愛しい気持ちになる。
子どもに関わる悲しいニュースを目にすると、もしもこれが我が子だったらと胸が詰まる。
だからこそ辛い。
子どもを産み、育てることが、「自己責任」から
「よくやった!偉い!会社だったら出世間違いないような偉業だ!」
というぐらいにならないと、誰も産みたくないと思う。

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